Nexon CEO イ・ジョンホン氏に独占インタビュー!『アラド戦記』や『メイプルストーリー』などの世界的IP活用戦略と「初恋の相手、Nexonへの熱い想い」【G-STAR 2024】
イ・ジョンホン: シンプルに述べれば、「ローカリゼーションに多額の投資をすること」を「ハイパー・ローカライゼーション」と考えています。グローバルワンビルド(画一的なサービスとして全世界に展開すること)ではなく、現地の人々の好みや文化に合わせてコンテンツを提供することを重要視しています。近年、それぞれの地域の好みを考慮せず、グローバルワンビルドでのサービスを行うゲーム会社が多いと感じます。欧米のパブリッシャーがアジア圏で成功できていない理由は、そこにあるのではないでしょうか。
そこでNexonでは、それぞれの地域に開発チームを作り、現地のニーズに合わせて素早くコンテンツを提供していきます。そのため、我々は「ハイパー・ローカライゼーション」に取り組んでいこうという考えです。
――日本における「ハイパー・ローカライゼーション」の取り組みについて教えてください。
イ・ジョンホン: ライブサービスゲームの開発チームは韓国にありますが、今後は日本のメンバーで構成される現地チームの設立を考えています。翻訳はもちろん、日本のトレンドに合わせたイベントの開催やコスチュームの発売などに、多額のリソースを投入していく予定です。
――「水平的成長戦略」に関連して、新たな柱を作る試みを教えてください。
イ・ジョンホン: 水平的成長戦略の取り組みとしては、完全オリジナルのゲーム作品を展開します。「G-STAR 2024」でも映像のみ出展しましたが、スウェーデンのEmbark Studiosで開発している『ARC Raiders』というゲームも2025年中の発売を予定しています。
――「水平的成長戦略」について再びお聞かせください。『アラド戦記』や『メイプルストーリー』で培ってきたノウハウは、今後発表されるゲーム作品にどのように活かしていきますか。
イ・ジョンホン: Nexonが持っている強みとして、ゲーム運営を行う中で収集したデータを中央で管理・分析する組織が挙げられます。そのため『アラド戦記』や『メイプルストーリー』など20年以上続くゲームで得られた情報やノウハウを、既存のゲームはもちろん、新規のゲームにもシェアできます。それぞれの開発チームが、このデータに基づいてユーザーを満足させられるようなゲーム作りに取り組んでいます。
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