日本代表レベル向上も…「一番すごいのは誰?」 大津祐樹が考えるサッカー界の悩み【見解】
「今の日本代表は、時代の移り変わりの狭間にいる世代なのではないかと思う」
日本代表は最新のFIFAランキングで15位に浮上し、森保一体制における最高順位を更新した。2026年北中米ワールドカップ(W杯)のアジア最終予選では4戦を終え、3勝1分と危なげなく首位に君臨。欧州の第一線で活躍するタレントが名を連ね、“歴代最強”の呼び声も高いなか、現代表チームが抱える課題はなんなのだろうか。 【動画】大津祐樹がロンドン五輪スペイン戦で決めた衝撃ゴールの瞬間 元日本代表FW大津祐樹氏は、ひと昔前の代表チームと比較した決定的な違いについて持論を展開しつつ、急速に進んだ“情報化社会”が日本サッカーにもたらす影響についても見解を述べている。(取材・文=城福達也) ◇ ◇ ◇ 10月15日にホームで行われたアジア最終予選第4戦のオーストラリア戦、結果は1-1と引き分けた。下馬評が高いなかで勝利を逃す格好となった一方、日本におけるアジアでの立ち位置が浮き彫りとなる試合にもなった。 「数年前までは、日本にとってオーストラリアはライバルのような存在だった。しかし、今回のオーストラリアの戦い方を受け、もはやそういった関係ではなくなったことが明確になったと思う」 オーストラリアは屈強なDFを並べる5バックを形成し、日本の猛攻にひたすら耐え切る守備的な戦術を徹底していた。もはやそこには、当時アジア最強の座を争い、真っ向からぶつかり合ってきたオーストラリアの姿はなく、日本を格上と認める“弱者のサッカー”に割り切っていた。しかし、そんなオーストラリアに日本が勝ちきれなかったのも、また事実だった。 「間違いなく日本のサッカーのレベルが上がっている。ただ、上がれば上がるほど、先日のオーストラリアのような戦い方をしてくる相手が増えてくる。フェーズが上がるごとに対策されるのは、これまで日本が強豪国を相手にしていたのと同じこと。“対日本”を相手チームが意識してくる分、どんな相手でも難しさが出てくる時代には突入するだろうと思う。アジアで言えば、徹底的に引いてきた相手にどうやって得点を奪うのかが、当面の日本の課題になってくるのではないかと感じた」 カタールW杯で優勝経験国のドイツやスペインが日本に敗れたように、日本もアジアカップでイラクとイランに屈する事態は起きる。“対策される側”が“対策する側”を上回るのは、例え両チーム間に実力差があったとしても、全くもって容易ではない。しかし、それが強豪国になるうえで立ちはだかる壁となる。