新NISAで投資デビュー。日銀が金利を引き上げたら、株価はどうなるの?
2023年から日本銀行(以下、日銀)が利上げに動くという報道が続いています。新しいNISAで資産運用を始めようと考えている人も多いかと思いますが、国の金融政策についてはよく分からないという場合もあるでしょう。 今回は、日銀の利上げが株価にどのような影響を与える可能性があるのか、簡単に説明していきたいと思います。
金利が上がると、株価にはどんな影響がある?
まずは、金利と株価の関係性からひも解いていきます。あくまでもセオリーとして一般的な考え方なので、必ず以下の説明どおりになるというわけではないことにはご留意ください。 〇金利と株価の関係 金利が上がると、株価は下がる 金利が下がると、株価は上がる 金利が上がった場合、私たちの暮らしはどうなるでしょうか。例えば、金利変動型の住宅ローンを借りている人の場合、金利が上がると支払額や利息が増え、返済負担が大きくなります。逆に、金利が下がると返済負担は減ります。 つまり、金利が上がると毎月返済する金額が増えてしまうため、余分にお金が使えなくなり、景気の冷え込みにもつながります。一方、金利が下がると返済額が減り、使えるお金が増えることで景気が向上すると考えられます。 企業においても同じです。お金を借りている企業にとって金利の上昇は負担の増加となりますが、金利の低下は業績改善につながるメリットがあります。 こうした点から、金利が上がると株価は下がり、金利が下がると株価は上がるということができます。
金利が上がっても金融緩和政策は続く
金利をコントロールしているのが日銀で、日銀が行う金融政策を通じて金利が引き上げられたり、引き下げられたりします。金融政策のなかでも、金利を引き上げることを金融引き締め政策、金利を引き下げることを金融緩和政策といいます。 最近の「日銀が金利を引き上げるかもしれない」といった報道は、金融引き締め政策のように受け止められることがあります。ただし、日本では2016年から金利をマイナス圏で維持するというマイナス金利政策を行っているため、現段階では金利を引き上げるといっても、例えば現行のマイナス0.1%から0.0%に上げるといった程度のことです。 金利を引き上げたとしてもゼロ金利に戻すということなので、金利は依然として低い状態のままとなります。つまり、金融緩和政策が維持されるという解釈もできるでしょう。 本記事の執筆時点(2024年1月20日)では、今のところ、2024年4月の日銀会議(金融政策決定会合)で金利が引き上げられるという見方が多数を占めています。ただし、2024年1月1日に発生した能登半島地震の影響を考慮すると、4月の利上げは難しいという意見もあるため、ひょっとしたら2024年後半にずれ込む可能性があるともいわれています。