増殖する軽乗用車! 保有台数は80年代末の「13倍」、なんでこんなに人気なのか
増え続ける軽乗用車
気付いたら、街を走る軽乗用車(以下、軽)が増えていた。スーパー、ドラッグストアといったローカルな場所だけでなく、少し高級なリゾートホテルの駐車場にも、外車の横に軽が並んでいる。軽乗用車の保有台数は、1989(平成元)年は約174万台であり、それまで前年比マイナスで移行していたが、バブル崩壊の翌年から増加に転向した。1990年代に爆発的に増え、その後も増加し続け、2023年には約2307万台(1989年の約13倍)までになった。 【画像】「えっ…びっくり! 」これが軽乗用車の「保有台数」の変化です(10枚) ・軽は車体が安い ・税金が安い ・燃費がよくてガソリン代が安く済む と、経済的なイメージが強い。軽の新車は、以前は100万円しないイメージだったが、気付けば2倍近くになっている。それでも普通車に比べたら安い。 2024年4月17日に2年ぶりに発表された2023年度の『軽自動車の使用実態調査』(日本自動車工業会)によれば、軽自動車の車両購入価格は 「180万円以上」 が増加していて、6割になるという。そのほか、最新の調査結果にはメインユーザーや人気のボディタイプなどが掲載されている。
軽ユーザーの主力
調査によれば、ユーザーは、年代では60代以上が42%を占めており、性別では女性が62%となっている。 1989年の自動車免許保有者のうち女性の割合は37.0%だった。2023年の女性の割合は46.0%まで伸びているので、女性ドライバーの増加が軽のユーザーの伸びを後押ししていそうだ。 地方に行けば、車がずらりと並ぶ家が珍しくない。やはり公共交通機関での移動が不便な地域に多い。とはいえ、最近は普通・小型車との併有が減少傾向にあり、軽1台のみ保有する家は軽ユーザーのうち約3割を占める。 60代以上の4割近くは、経済・使用の両面において、軽以外では車の維持が難しくなるというので、重要なライフラインである。 さて、軽ユーザーのうち、軽からの買い替えが6割のため、普通車・小型車からの買い替えも多いということになる。 新車よりも中古車として軽を購入する人が依然増加傾向にあるが、今回の調査では物価高騰の影響を受けた人が多い。 直近1年間に軽自動車を新車で購入しようと考えた人は、結局「新車を購入」が25%と少なく、「新車の予定を中古車に変更」が26%、「購入を延期、断念」した人が45%にものぼる。