集中状態を生み出すタスク管理術。「ブロッキングとボクシングの合わせ技」で1日はもっと充実する
タイム・ボクシングとタイム・ブロッキングはどう使い分けるか
タイム・ボクシングは、比較的長期間で取り組むプロジェクトや、終わりがない作業に使いましょう。職場で1週間後に発表するプレゼンテーションの作成や、家の掃除などが適しています。 タイム・ボクシングの考え方は、継続して行なうような作業には、「午後4時から5時」など決まった時間をあてるべき、というものです。そうすれば、時間になったら、いつもの習慣としてその仕事に集中できるわけです。 タイム・ボクシングは、習慣をつけることが目的と言えます。あらかじめ決めた時間に1つのタスクに集中して取り組む練習をし、それを習慣化して、いつも同じ時間にそのタスクに取りかかれるようにするのです。 たとえば、毎朝9時から9時半までを「ボックス」として区切り、すべてのメールに返信するようにしたり、毎週木曜午後6時にリビングを掃除したりしてもいいでしょう。 そして、タイム・ブロッキングは、やるべきことがたくさんあって、そのすべてを片付けたいときに使います。Googleカレンダーなどのツールを用いて、1日の時間割を細かく設定するのです。 「メールを確認し返信する」「掃除をする」「子どもの活動に参加する」「友だちと会う」などの予定を組みましょう。さらに、「昼食を取る」や「15分休憩する」も予定に入れてください。 カレンダーのすべての部分を埋めれば、今は何をすべき時間か、いつまで続けるかが、すぐにわかります。 まずは2週間試してみよう ある意味では、2つの時間管理術は連携して働きます。先ほど書いたように、タイム・ブロッキングで時間管理していると、結局タイム・ボクシングをすることになるからです。 ただしタイム・ブロッキングは、「習慣をつける」というより、「ルーティンをこなす」ためのものです。長く続ければそれだけ、うまくできるようになります。 2週間も続けてみると、たとえば「在庫を確認するためには、毎週火曜の午後に1時間は必要ないことがわかり、1時間を45分に減らして、浮いた15分に、何か別のブロックを入れられる」かもしれません。 あるいは、日曜の夜に1週間の献立を立てるには、1時間以上かかることに気づくかもしれません。 それぞれのタスクに適した時間の長さがつかめるまで、ブロックを調整してみてください。あとは、仕事に取り組むのみ。カレンダーを見れば、何をすべき時間かがわかります。 ほかに気を取られることなくタスクに集中し、しっかり成果を出すのはあなたの仕事です。
浅野美抄子(ガリレオ)