集中状態を生み出すタスク管理術。「ブロッキングとボクシングの合わせ技」で1日はもっと充実する
1日を効率的に管理し、安定して生産性を上げるための方法として、私は「タイム・ボクシング(Time Boxing)」を推奨してきました。 けれども、時間管理術には実にさまざまな方法があります。 自分に合うテクニックを探していたら、「タイム・ブロッキング(Time Blocking)」を目にすることがあると思います。「タイム・ボクシングと同じだな」と思った人がいるかもしれませんが、もちろんこの2つは違うもので、それぞれ異なる利用価値があるのです。 ここでは、「タイム・ボクシング」と「タイム・ブロッキング」の違いと、これらをどのように使い分けるべきか、解説します。
「タイム・ボクシング」とは
「タイム・ボクシング」とは、一定の長さに区切った時間(「ボックス」と呼びます)をタスクごとに設定し、その中で作業に取り組む方法です。 自分で割り当てた時間内はそのタスクだけを行ない、時間が終われば、作業も終了となります(少なくとも、そのタスクに別のボックスを設定するまでは)。 このタイム・ボクシングは、何かに集中して取り組む必要があるときに使います。毎日、毎週、毎月など、決まって行なうルーティンのタスクでもかまいません。 いわば「ディープワークの入口」 タイム・ボクシングを活用すれば、スケジュールの中に1つのタスクに集中するスペースをつくり出すことができ、「ディープ・ワーク」が可能になるのです。ほかの決められた時間が終わるまでは、気を散らすものから遠ざけることができます。 これは、集中してがっつり仕事をするための「ポモドーロ・テクニック」と考えればいいでしょう。 ポモドーロ・テクニックでは、25分間タスクに取り組んだら、短い休憩をはさんでからタスクを再開しますが、タイム・ボクシングでは、やりたいだけ、または必要なだけ、いくらでも長くタスクに取り組んでかまいません。ただし、決められた時間が終わったら作業も終了です。 どちらの方法も、休憩があることがわかっていますから、最後まで集中して一生懸命作業し、割り当てられた時間の中で、できるだけ多くの成果を上げることができるのです。 タイム・ボクシングが特に向いているタスクは、何らかの締め切りがあり、多くのリソースを必要とするものです。締め切りまでの時間の中で適切に「ボックス」をつくり、予定を組むことが必要です。