世界初!? 遊びながらプログラミングが学べる! こどものための知育公園がヘルシンキにオープン。
ユニセフの「こどもにやさしいまち」の認定を受けたばかりのフィンランドの首都ヘルシンキ。コンピュータの基礎が遊びながら身に付く〈ルオホラハティ・パーク〉に注目! 【フォトギャラリーを見る】 ピンク、イエロー、パープル、ブルーとカラフルな遊具やキーボードを模した階段。こども達が歓声をあげながら走り回っている。ヘルシンキの住宅地の中にあるこちら、世界初のコンピュータをテーマにした市立公園〈ルオホラハティ・パーク〉である。 ヘルシンキ市のデザイン部門の主導で実現したこの公園だが、アイディアのベースになってるのが、知育絵本『ルビィのぼうけん(英語タイトル:Hello Ruby)』だ。こどもたちのプログラマー的思考を育みたいと、フィンランドのプログラマー、リンダ・リウカスさんがクラウドファンドで資金を募り、2014年に出版した絵本である。
絵本は前半が「好奇心いっぱいの女の子、ルビィが宝石集めの冒険をする」という物語で、後半は「練習問題パート」で構成。プログラミングに必要な考え方が難しい用語を使わずに盛り込まれている。現在は同シリーズから4冊が出版されており、日本語を含め20か国語以上に翻訳されるなど、世界中で読まれている人気シリーズだ。リンダさんはTEDトークなどにも出演し「プログラミングは小難しいものではなく、楽しい!」とこどもだけでなく、大人にも伝える活動を続けている。 「プログラミングは問題を解決し、自分の考えを動くかたちにできる楽しさに満ちています。この公園では、家の中でパソコンやスマートフォンにかじりつくのではなく、外で身体を動かして遊びながらコーディングの基本などが身に付くように考えられています」 公園に姿を見せたリンダさんは、絵本を片手に熱く語りかける。
具体的なデザインには教育の専門家のほか、こどもたちや近所の人たちの声も反映。ランドスケープは〈Näkymä Landscape Architects〉、遊具などはデンマークの遊具メーカー〈モンストラム(Monstrum)〉が製作したものになる。コンピュータに見立てたタワーや、キーボードのような階段、TikTok用のダンスを撮影したり、ニ進数を使って自分の名前を書くことを学んだりもできる。 インストラクターが常勤しているわけではないが、先生や親向けの教材もあり、そちらはウェブサイトから無料でダウンロードができるという。日照時間が短い冬や、雨の多い秋にも対応できる全天候型。バイオダイバーシティを育むため、植栽にも工夫が凝らされている。