「シムシティ」が政治塾を開催、エデュテイメントは政治を身近にできるか?
プレイヤーが“市長”となり街を成長させていくというスマートフォン向け都市経営シミュレーションゲーム「シムシティ ビルドイット」が、8月21日から3日間の日程で都市計画や公共政策について学ぶ政治塾「SIMCITY BUILDIT School of Politics」を都内で開催します。講師には元宮崎県知事の東国原英夫氏ら行政、都市デザイン、地方自治のエキスパートを招くという本格的なもの。このイベントにはどのような狙いが込められているのでしょうか。
1989年に産声を上げた人気ゲーム「シムシティ」
まずは、シムシティがどのようなゲームなのかを簡単に紹介しましょう。 都市経営シミュレーションゲーム「シムシティ」が米国で誕生したのは、1989年。翌1990年には日本でも発売され、以来27年に渡りパソコン、家庭用ゲーム機、携帯電話など向けにリリースされ、世界中で楽しまれてきました。2014年にはスマートフォン・タブレット向けに「シムシティ ビルドイット」がグローバルで公開され、リリースから3週間で1500万DLを達成するという記録を残しています。 「シムシティ ビルドイット」では、市長であるプレイヤーは自分の街の未来像を描きながら都市の骨格を策定。交通、電力、水道などのインフラを整備することで都市の人口を増やしながら商業・工業を発展させ、市民からの要望や不満、犯罪や公害、交通渋滞など都市が抱える課題に対応し、そして火災や地震など突発的に発生する災害を乗り越えながら、街を大きくしていきます。そしてゲームの評価は、その街に暮らす市民の人口と彼らの満足度=都市運営への評価などに表され、こうした数値が都市の運営に必要な“税収”となってユーザーに返ってくる仕組みです。 都市を整備して市民を満足させ、税収を確保することで都市財政を健全に回していくというゲームの根幹部分は、リアルな都市運営にも通じる部分です。指先で簡単に操作できる手軽さ、子どもでも楽しめるカジュアルさを持ちながら、高品質のグラフィックで自分の街を自由にデザインして本格的な公共政策をシミュレーションできる奥深さを備えている点が、人気の理由だということができるでしょう。