「シムシティ」が政治塾を開催、エデュテイメントは政治を身近にできるか?
今回開催される政治塾「SIMCITY BUILDIT School of Politics」では、元宮崎県知事の東国原英夫氏は“生活者の満足度を高める政策”をテーマに講演を行うほか、工学院大学建築学部教授の遠藤 新氏は都市デザインをテーマに、また地方自治ジャーナリストの相川俊英氏は地方自治や地域活性化をテーマにそれぞれ講演を行います。 そして、そこで取り上げた社会課題や講師が構想した政策について、実際に「シムシティ ビルドイット」を使ってシミュレーションし、これからの街づくりに必要な政策のあり方について検証するのだそうです。ちなみに、参加者の募集にあたっては「あなたなら東京をどんな街にしますか?」というテーマの小論文や理想の都市をイメージして描いたイラストなどを“課題”とし、多くの参加希望者が集まったそうです。
“政治離れ”が進む若者と政治の接点は、ゲームの中にある
ではなぜ、ゲームである「シムシティ」がこのような“政治塾”と称したイベントを開催するのでしょうか。「シムシティ ビルドイット」の運営会社であるエレクトロニック・アーツの藤村活子さんにお話を伺いました。 藤村さんによると、この政治塾には実際に政治家を輩出しようという意図はなく、多くの人に遊びながら政治に触れることができるシムシティの価値を発信したいという考えがあったのだといいます。企画のきっかけになったのは、今年7月に開催された東京都議選。「世の中の政治に対する関心が高まったタイミングで『政治しちゃおう』というメッセージを打ち出すことで、シムシティの“エデュテイメント”としての価値を啓発したかった」と藤村さんは語ります。 藤村さんが挙げた「エデュテイメント」という言葉は、教育(エデュケーション)と娯楽(エンターテインメント)を掛け合わせた造語で、“遊びながら学ぶ”という意味を持ちます。ゲームというのは一般的に娯楽であり教育とは対極にある存在ですが、シムシティはゲームでありながら街づくりという政治を学ぶことができるという点が、他のゲームとは大きく異なります。ゲームを通じて遊びながら政治と接点を持つことで、リアルな政治にも親しみを持ってもらおうという発想が、今回の政治塾の背景にあるのだそうです。