兄は元プロ野球選手の“赤ゴジラ”、EC支援のマージェリック嶋社長が「野球」を通じてナイジェリアの社会問題を解決する新プロジェクトとは
EC支援のマージェリックが新規事業として立ち上げた、「野球普及」を通じてナイジェリアの「産業創出」「雇用創出」をめざすプロジェクト「MERGERICK NIGERIA」。「アフリカから世界に野球グローブを!」というミッションを掲げ、「Japanese quality」「Made in Nigeria」というコンセプトのグローブブランドの開発・製造を進めている。このプロジェクトを主導するのはマージェリックの嶋社長。広島カープでは「赤ゴジラ」の愛称で活躍し、その後は西武ライオンズ一軍打撃コーチを務めた嶋重宣氏を兄に持つ。そんな嶋社長が主導するマージェリックの新たな挑戦を追った。
「野球で楽しい時間を過ごしてほしい!」をテーマにプロジェクトを推進
野球をするために必要不可欠な道具であるバット、ボール、グローブ。アフリカの多くの国では「お金が足りない」といった経済的な理由で、野球を諦める子どもたちが少なくない。 マージェリックが拠点を置くナイジェリアの人口は約2億1800万人。メジャースポーツはサッカー、バスケットボールで、野球を楽しむ人は数百人程度という。祖業であるECビジネスとは大きく異なるビジネスで、かつ野球に親しむ人も少ないという下地が“ゼロ”といった状況下でプロジェクトを進めている。
「野球で楽しい時間を過ごしてほしい!」をテーマに、「Japanese quality」「Made in Nigeria」というコンセプトのグローブブランドを立ち上げるため準備を進めてきた。グローブ技術習得のためのスタッフ採用や研修、プロジェクトを推進するための現地駐在員の採用、製品製造のための機器および原材料調達など、すでに「人」「物」「時間」へ大きな資金を投じている。
日本では数万円の価格帯が当たり前の野球用グローブ。しかし、平均月収が1万2000円~2万円のアフリカ諸国において購入できる国民はごく少数。ただ、多くの国民が手に入られる価格帯にするには価格を抑えるしかない。「どんなに原価を抑えて製造しても、提供価格は2万円を超えてしまう」(マージェリック)。この問題をどう解決したのか?