南南西…どころじゃない、希少金属求めて宇宙へ飛び出すって!? その3【清水和夫×高平高輝クロストーク「南南西に進路を取れ!」 】
希少金属がまったく採れない日本よ、さぁどーする?
清水:うん、そうだね。だからやっぱりインド、中東ぐらいまでしか見ていないだろうね。キジャン イノーバベースの車がインドネシア・ジャカルタのカラワン工場で作られて、でもあれは中東まで。その先の西の南、そこには希少金属が大量にある。 高平:地政学的っていう言葉がすぐ出てくるような。こんなにEVって言ってる国で必要なものが何も採れない国って珍しい。 清水:エネルギーもない、石油もない、希少金属もない! それでよくEVって言うよな。 高平:そうそうそう、本当です。みんな忘れてるかもしれないけど、銅だってすごい高いんだよ。だから、田舎の方にある太陽光発電所のケーブルとか盗まれちゃう。 清水:最近、九州とかはマンホールが盗られている。パイロンが立ってるんだよね、そしたら穴が開いている。 高平:側溝の蓋、グレッチングも。そういうのを金に換えてでも商売になるぐらい値段が上がっている。 清水:鉄の2倍だもん。 高平:特に知的金属が高くて。みんな勝手なことをX (旧Twitter)とかに書いているヤツは忘れているけど、地球上にある金属の総量ってずっと昔から決まっている。 清水:だから回収、リサイクルしかない。 高平:そう、それしかないんですよ。それにしたって銅はちょっと前の4倍とかって言われているときに、これからそんなにモーター安く作れるはずないじゃん! 清水:だから第一、第二世代くらいのプリウスの最後って、モンゴルとかタジキスタンとかに売られているんだけど、そこのバッテリーは回収できていない。あれがBEVになったら、それらの国で、お腹の中から400kgのバッテリーを抜き出して日本に持ってきて回収、リサイクルなんかできっこない。 高平:おっしゃる通りです。モンゴルはプリウスの国ですから。
希少金属、バッテリーの回収、リサイクルを本気になって取り組まないと!
清水:だからこれからは「車電分離」みたいに、パソコンを人に渡す時にバッテリーだけ抜いて渡す、みたいな。 高平:もうやっぱり、いつか当たり前になるかもしれませんけど、そこまではもう何ステップも必要ですよね、みんなの意識も。 清水:うん。でももうホンダが、モバイルバッテリーパックで商用軽自動車でやり始めて、そこにスズキとヤマハが合意し、自工会(JAMA/日本自動車工業会)のなかでも。 高平:原付とか自転車とかでいろいろ使える、汎用のバッテリーね。 清水:そう、小さいやつ。もうASEANでもやっているし。ああいうものの方がカチャっと取り出せるから。それは商用軽自動車だからできる。パッセンジャー界はどうするかってなっているけどね。 高平:一応、リーフは「リサイクルリユースプログラム」というのをやっていた。モバイルバッテリーに使うとか、他の民生用途に使うっていうのは凄いやっていた。セルごと取り出して、リパックして、停電した時の踏み切りの補助電源として。 清水:それが大事。古くなったリーフが海外に行かないようにしないと。輸出規制をするとか。 高平:日本車は基本的に中古車が海外で人気ですから。 清水:高速道路みたいに、希少金属は政府が保有しちゃった方がいいと思う…ダメ? 高平:いや、その手はあります。 清水:補助金を出すより、そういうのがいいんじゃないの? 高平:でも、ソコをついて悪いビジネスをしようとしてる独裁国家とか世界にはいっぱいあるので、そこを考えないといけない。大体なぜかわからないですけど、石油とか天然ガスとかも大体そういう、言っちゃあアレですけど、独裁的な国に偏在していますよね。なぜかそういう所で採れる。 清水:だから古くなったBEV、そのバッテリーをOEM側、民間企業が持っていると民間はやっぱり売りたくなっちゃうから、政府が保有機構で希少金属を全部持つ…なんちゃってね! 高平:いや、でも将来的にはそうかな、それがひとつの手かな。 清水:だって日本は産出できないんだから、取ってきて一回お金払ったものをもう一回外に出したら、もう一回買い戻さなきゃいけない。 高平:おっしゃる通りです。 清水:それくらいのことを考えない限り、資源問題を考えると未来の画っていうのはなかなか。 高平:確かにそうです。本当そう思います。そんな簡単なことではないというところで終わっちゃいますけど、それだとちょっと寂しくないですか?