南南西…どころじゃない、希少金属求めて宇宙へ飛び出すって!? その3【清水和夫×高平高輝クロストーク「南南西に進路を取れ!」 】
希少金属が生み出せない日本は軽BEV「サクラ」を見ろ
高平:中東も最近、それこそフォーミュラEもそうだし、F1そのものもそうですけど、サウジアラビアが今までの、もうほとんど鎖国状態のような政策をやめて、観光客にいっぱい来てくれと。「世界中から観光客を呼ぶ!」っていう風に、皇太子の政策を180度変えて、F1なんかも誘致していますから。やっぱりあの辺ももう無視できない。石油だけで食っていくわけにはいかないっていう風に決めた。 清水:だってほら、イランがイスラエルにロケット打ったりしてるでしょ。ホルムズ海峡を閉鎖されたら、日本の石油は95%アソコを通っているから、もうそのモデルはサステナブルじゃないよね。だから、やっぱりバッテリーにいくんだったら、希少金属をちゃんと確保して、回収、リサイクルっていうモデルをやらないと。やっぱりでかいバッテリーはもうダメで、バッテリーは小さく作る。そういう意味じゃ日産「サクラ」、日本の国民車・軽自動車でBEV。ああいうようなモデルをどんどん作って、で、South by Southwest、南南西に進路を取ればいいのかな。 高平:南南西に行くためにも、本当ですよね。で、南南西の途中には紛争や、世界的に今問題になっている地域っていうのがいっぱいあったりして。やっぱりそんな、なんかバッテリーEVだ! いやいやハイブリッドだ!とか。そりゃまぁ、飲み屋で「くちプロレス」の種にはいいかもしれませんけど。 清水:でもね昔、喜望峰(Cape of Good Hope/南アフリカ共和国西ケープ州ケープタウンにある岬)を通って、風で航行する帆船でインドネシアとかジパング目指してきたじゃない。あれって季節によって風が変わるから、インド洋を通るとエンジンは要らない、風で向こうまで行ける。で、季節が変わると日本に帰れる。 高平:こうやってほんとに年に一往復っていう。いや~そうですよ。ずっと前から我々は外のことなんかいいよ、じゃなくて、外からなんとかしても知恵を持ってきて、あるいは知恵を持ち出して生きてきた。あるいは他の国もみんなそうですね。 清水:そうだね。でも、やっぱりなかなかヨーロッパメーカーっていうのはそういう細かいことできないよね。あれだけ厳しい政治家がいて、オープンなようでオープンじゃないし。彼らはルールを作ることに一所懸命。でも日本はそこはあまり強くないから、その裏をいって、シンドバット作戦でインド洋を渡って南南西に進路をとる。 高平:そうです。そこからどうするか…また次考えますけど。でも、まずそこまで行くまでも、ちょっといろいろ話さなくちゃいけないことが多いです。 清水:多いけどね、インドネシアとかね。 高平:インドネシアだって人口は多いし。 清水:2億8000万人、2億人がイスラム。 高平:あそこは今までは日本車の牙城だったですよね。 清水:そう、キジャン イノーバ (KIJANG INNOVA)、トヨタ、ダイハツね。 高平:これがタイもインドネシアも、なんか急速に中国、韓国のメーカーが行っている。みんなそういうところを狙うのは当たり前ですけど、我々日本メーカーはその先にカウンター3塁打ぐらいのものを考えていますかね? 打順を組み替えたりしてるかな?っていうと、ちょっと不安です。