【東日本実業団駅伝】5連勝を目指す富士通にHonda、GMOを加えた3強の争いか SUBARU、ロジスティード、Kaoにもチャンス 前日区間エントリー発表
村山は23年ニューイヤー駅伝の1区区間賞選手で、吉田は最長区間、エース区間に起用されることが多かった。我々のイメージ的には今回と逆だが、伊藤公一新監督はその理由を次のように説明した。 「昨年の東日本大会1区で24位と出遅れて、ファンや応援してくれる人たちが離れてしまうレースをしてしまいました。今年は愛されるチーム作りからやり直していくために、1区から調子の良い順に起用しました。行けるところまで突っ走ります」 伊藤監督は「細かな作戦ではない」と言うが、他チームにとっては怖い走順になった。3区の今江勇人(26)は今年のニューイヤー駅伝エース区間の2区で区間7位。今季は10000mでも27分47秒38の自己新と、課題だったスピード面も大きく成長した。5区の嶋津雄大(24)も課題だったスピードが改善され、今季5000mで大幅に自己記録を更新。そして6区に、移籍加入した鈴木塁人(27)を起用。「一度離れると逆転が難しい駅伝」(伊藤監督)という認識だが、駅伝で強さを発揮する鈴木には、追い上げたり逆転する走りも期待している。中盤でトップに立てなかったときは、鈴木がキーマンになる可能性が高い。 そしてアンカーの7区は小野知大(25)で、トラックでは今季も良い走りはできなかったが、ロードでは素晴らしい走りをしてきた選手。旭化成時代のニューイヤー駅伝では、20年の6区と22年の5区で区間賞を取った。「練習のタイムトライアルでは上がってきている」と伊藤監督は期待する。今年のGMOインターネットグループは、最後までファンの視線を釘付けにする駅伝を見せる。 ■マラソンのパリ五輪代表だった小山と日本歴代2位の池田が4区で対決 個人で注目したいのは、各区間に登場するマラソントップ選手たちの走りだ。 1区にはGMO・吉田と中村匠吾(32、富士通)がエントリー。吉田は今年2月の大阪マラソンで2時間06分37秒の4位。今季は「マラソン日本記録」が目標と、自社のホームページに記載している。東京五輪代表だった中村は8月の北海道マラソンに優勝(2時間15分36秒)。復調の気配を示している。駅伝でも勝負強さを発揮してきた選手。1 区は学生時代の駅伝で区間賞を何回も取った区間だけに、4連勝中の富士通をトップ争いの流れに乗せるのは間違いなさそうだ。