TikTok、トランプの介入を期待しアプリ禁止法の施行差し止めを申し立て
中国企業傘下の動画投稿アプリTikTok(ティックトック)は12月9日、米連邦控訴裁が先週、TikTokを禁止する新法は合憲との判断を示したことを受けて、迫っている新法の施行を一時停止するよう裁判所に申し立てた。同社は上訴する方針で、結論が出るまでの間、新法の施行を一時停止し、ドナルド・トランプ次期大統領が新法を覆すための時間を稼ぐ意図がある。 新法はTikTokの親会社で中国企業のByteDance(バイトダンス)がTikTokの米国事業を売却しない限り、米国内でTikTokを禁止するというもの。 TikTokは、新法が発効する前に高裁が「この極めて重要なケースを見直すかどうかを決定する機会を持つべき」と主張し、最高裁に上訴して判断が示されるまで新法の施行の一時停止を求めた。 同社はまた、施行の一時停止で次期トランプ政権がこの訴訟について意見を述べる時間ができ、トランプの考えによっては「差し迫っている悪影響が消え、最高裁による審理の必要性もなくなる可能性がある」と主張した。 トランプはTikTokの禁止を阻止したい考えだと報じられている。そのため、同社は「新政権が新法の施行を一時停止するか、そうでなければ実際に起こり得る最も深刻な影響を緩和する合理的な可能性」があると主張した。法律の専門家が、トランプが同法を阻止する絶対確実な方法がないことを示唆しているにもかかわらずだ。 上訴中にTikTokアプリを禁止することは、TikTokとアプリユーザーに「取り返しのつかない甚大な損害を与える」と同社は指摘。アプリを一時的にでも禁止すれば「TikTokの月間1億7000万人にのぼるユーザーとクリエイターが米国で最も人気のある言論プラットフォームの1つにアクセスできなくなり、TikTokの広告主をひきつける能力を破壊し、人材を採用・維持する能力を麻痺させる」とも主張した。 TikTokは控訴裁に今月16日までに新法の緊急差し止め命令を出すかどうか、判断を下すよう求めた。