失敗しない!素敵な庭をつくるには?家を建てる前に知っておきたい13のポイントを建築家・造園家7人が解説
6 暑さ、寒さに対して、設計で対応できる工夫はありますか?
「気もちのよい時間帯や季節に応じて、庭に出たくなるような外部設計をすることが重要」(建築家・前田圭介さん)、「テラスは屋根の有無で使う頻度が極端に変わる」(建築家・高橋昌宏さん)というように、建築と庭を同時に考えて設計することが大事です。 また、「南側の庭に落葉樹を選定する。冬は葉が落ちるので日当たりがよくなる」(建築家・小川博央さん)というように樹種の選定にもコツがありそう。 そのうえで、寒さ対策であれば「電気式、ガス式の屋外ヒーターをおすすめしています」(建築家・高橋昌宏さん)、「夏の強い日差しを制御するパーゴラやターフの設置」(建築家・小川博央さん)と、家具や設備にサポートしてもらう手もあるようです。
7 地震、台風、大雨など、自然災害対策や安全面で気を付ける点を教えてください。
「近年、増えているゲリラ豪雨を考えると、囲われた庭においては通常の排水に加えてオーバーフローなど二重の水の逃げ場を考えたほうが安心」(建築家・小川博央さん)、「中庭や高低差のある場所の場合、特に雨水排水計画をしっかり行うこと」(造園家・荻野寿也さん)と、排水計画が肝になります。 また、「大きな樹木は地下支柱工法など倒木防止対策も行う」(造園家・荻野寿也さん)など技術的な配慮も必要。 メインテナンスを考慮した樹種選びも参考に。 「成長の早い樹木を入れないこと」(造園家・荻野寿也さん)、「アオダモのような成長の遅い樹木を選定する方法も効果的」(建築家・前田圭介さん)
8 安全面や維持管理に関して、設備の工夫や注意点を知りたいです。
排水や電源など庭の安全性や維持管理もあらかじめ計画しておきたいところ。 「設備をあとから追加することは施工上、難しいことが多いうえにコストアップにもつながるので、土壌検査、雨水排水計画、照明計画含めて、外構も建築設計と同時に行うこと」(造園家・荻野寿也さん)。 「敷地の土質や透水性を鑑みて、水不足や根腐れなどが起こらないように、植栽の量や排水性を考えることが重要。また、電源は漏電への配慮、照明で演出する場合は近隣への配慮も必要です」(建築家・前田圭介さん)というように、初期段階から緻密に計画することが何より大切です。