失敗しない!素敵な庭をつくるには?家を建てる前に知っておきたい13のポイントを建築家・造園家7人が解説
3 水盤をつくる場合の 注意点を教えてください。
光と水の相乗効果で幻想的な演出ができる水盤ですが、水はよどむと虫が発生するため、「水を張りっぱなしになる場合は水がよどまない循環・排水計画が重要」(建築家・前田圭介さん)と、事前の設備計画が必須です。 一方、近年は観賞用でない水盤もあるとのこと。 「水が入っていない状態でも美しく見えるように設計したり、水遊びができたり、足湯になったりと、使える場にしたほうがいいと思います」(造園家・荻野寿也さん)、「水を抜いたときはテラスとして使えるなど、多機能な場にすると望ましい」(建築家・前田圭介さん)と、水盤のスタイルもアップデートしています。
4 アウトドア家具の出し入れやメインテナンスなどが不安です。 家具の選び方・つくり方を教えてください。
早い段階から計画できるのであれば、「ソファやベンチ、テーブルなど大きな家具は造作でつくり、クッションなどの小物だけを出し入れして使うようにすると負担が軽減されます。市販のアウトドア家具が建築と合わないといった失敗も防げると思います」(造園家・荻野寿也さん)というアドバイスは大いに参考になります。 家具選びでいえば「外部の家具は耐久性、耐候性を考慮することが重要です。それが出し入れやメインテナンスの軽減にもなる」(建築家・前田圭介さん)という回答を参考に。 一方、「庭をつくるというのは“大変”を楽しむことだと思います」(建築家・谷尻誠さん)という言葉のように、庭をもつ心構えも大切。
5 樹種の選び方・考え方、選ぶ注意点を教えてください。
「樹種の選び方は千差万別」(建築家・前田圭介さん)というように、回答もさまざま。「地域に合った樹種を選ぶことが大原則」(建築家・高橋昌宏さん)、「均一な表情の樹種ばかりをそろえるのではなく、形状的に個性をもった樹種を入れると楽しいと思います」(建築家・松山将勝さん)。 「南向きなら落葉樹を選び、夏は日差しを遮り冬は室内に日差しを入れるといった工夫もできる」(建築家・小川博央さん)、「好きなものを選べば大事にする」(建築家・谷尻誠さん)と、多様な角度から回答が。 造園家・荻野寿也さんさんからは造園家視点の細やかなアドバイスをいただきました。「維持管理を考えるとなるべく成長の穏やかな樹木がいいでしょう。また、庭の方角と日陰、日向のどちらを好むかを一致させることも大切。南の庭に半日陰を好む樹種を入れたい場合は木陰をつくる樹木と一緒に植えるなど方法はいろいろあります」