【年金企画】母から引き継いだのは「億単位の借金」退職金全額費やすも賄えず、年金月額30万円も借金返済に充てる日々…その中で見つけた“生きがい”「目指すは全国1位や」
■突然引き継がれた「億単位の借金」 年金は全てその返済に…
3人きょうだいの長男として生まれた田中さんは、4年制大学・大学院を出て営業マンとして就職し、その後、石油関係の一部上場企業へ転職。そして19回の転勤を経て、東京本社勤務に落ち着きました。しかし、その矢先に母親にこう告げられました。 (田中さんの母親) 「あなたの営業力で商売を継いでほしい」
大阪に呼び戻されて受け継いだのは、母が管理するビルの“経営権”。そして、建設時から残る“億”を超える多額の借金でした。当時、母は洋品雑貨店も営んでいましたが、その収入では返済を賄えなかったといいます。 Q.借金のあるビルを引き継ぐと聞いたときは、どう思いましたか? (眞智子さん) 「すごいショックでした」 (田中さん) 「ショックやし、(東京での仕事を)辞めんといてくれって言われた」
69歳で退職した田中さん。3000万円ほどあった退職金を全て借金の返済に充てましたが、それでも完済には遠く及ばなかったといいます。 Q.年金30万円のうち、どれぐらいを返済に充てているんですか? (田中さん) 「30万円でしょ」 (眞智子さん) 「しっかり計算して、銀行もいくつも当たって」 (田中さん) 「金利を下げる」 (田中さん) 「例えば、(テナントから)70万円もらっても70万円出る。100万円もらっても100万円出るっていうような感覚ですね。だから(テナント収入は)あてにしていません」
■完済までは15年― 生きがいは、妻・眞智子さんの助言で始めたマラソン「目指すは全国1位や」
現在は、年金とビル管理の収入のうち、生活費と会社の経費を残し、他は全て借金の返済に充てているという田中さん。完済までには、あと15年かかるといいます。
(田中さん) 「とにかく私は96歳まで生きたい。苦労苦労(96・96)の一生やと」 決して下を向くことなく、1日1日を懸命に生きている田中さんですが、スタッフの目を引いたのは、居間のいたるところに飾ってある賞状やメダルでした。 (田中さん) 「金メダルばっかりです。26個あります。1500m、800m、3000m、5000m、10000m、全て網羅」
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