【修斗】石原夜叉坊が10年7カ月振り大阪で50秒 KO勝ち! 田上こゆるが旭那拳に5R判定勝ちで世界フライ級王者に。ダイキライトイヤーが野瀬翔平に競り勝ち環太平洋バンタム級戴冠
◆田上こゆるが旭那拳に5R判定勝ちで世界フライ級王者に、イキライトイヤーが野瀬翔平に競り勝ち環太平洋バンタム級戴冠
▼修斗世界ストロー級チャンピオン決定戦5分5R 〇田上こゆる(BLOWS)1位 [判定3-0] ※50-45×2, 49-46 ×旭那 拳(THE BLACKBELT JAPAN)2位 ※田上が世界ストロー級王者に メインイベントは「世界ストロー級チャンピオン決定戦」(5分5R)田上こゆる(同級世界1位/BLOWS)vs.旭那拳(同級世界2位/THE BLACKBELT JAPAN)。 修斗世界2階級王者・新井丈(和術慧舟會HEARTS)がフライ級タイトル防衛に集中するためストロー級の王座を返上。 大阪大会で、世界1位の田上こゆる(BLOWS)と同級2位の旭那拳(THE BLACKBELT JAPAN)との間で「ストロー級王座決定戦」が行われることとなった。5月大会以来の再戦となる。 2023年11月に沖縄で開催された『THE SHOOTO OKINAWA Vol.9』で泰斗に勝利した旭那が田上に対戦を要求。当時、旭那が田上よりランキング上位におり、逆下剋上発言が話題となったが、両者は、5月19日のニューピアホール大会で対戦。 田上が打撃で旭那を圧倒し、1R KOに下している。あれから7カ月。今回はストロー級のベルトを掛けての5分5Rの再戦となるが、立場は逆転し、田上が旭那を迎え撃つ形となる。 前回は怪我からの復帰戦であった旭那は、今回は万全の体制で挑むが、田上は地元大阪で戦える地の利と前戦からの良いイメージで迎え撃つため、アドバンテージはやや高いと言えるだろう。抜群の身体能力を活かしたハイスピードの打撃が主武器の田上が再び返り討ちにするか。それとも師匠・松根良太譲りの隙のないトータルバランスで勝負する旭那がリベンジを果たすか。 前日計量では田上が51.8kg、旭那が52.0kgで王座戦リミットの52.2 kgからいずれもアンダーでパス。 計量後に旭那は「THE BLACKBELT JAPANの旭那拳です。5月のリベンジマッチ、再戦ということで前回の試合から色々見つめ直して、自分自身、強くなって、今回ベルトを獲るために全身全霊をかけて練習してきたので、それを修斗最終戦のメインイベントで締めくくれればと思っています。明日は格闘技人生のなかで間違いなく集大成の試合となると思うので注目してもらえたらと思います」とコメント。 対する田上も「立っても寝ても倒す練習しかしていないし、倒し切ります。5分5Rで泥臭い試合になっても絶対勝つし、BLOWSの青井(人)君からも『負けたら五厘刈りやぞ』と言われているので、絶対に勝ちます。現地にもいっぱい応援きてくれるし、PPVでも応援よろしくお願いします。押忍」と意気込みを語った。 1R、サウスポー構えから歩いてオーソの田上に対し、オーソドックス構えの旭那。腰を落とした低い構えの田上が中央に歩き、出入りのフェイントから右ハイで牽制。 そのままサウスポーにスイッチして右ジャブを見せる。田上は足を左右入れ替えながら右の蹴りも空振り。オーソから左ジャブ、右ローもまだ遠い。旭那は徐々に詰めると田上はワンツーの右! 旭那は左ジャブを当ててシングルレッグもそこに右アッパーを合わせて切る田上。頭をガードした旭那に2発目がかすめる。 前に詰める田上は左ジャブ、右右から左の連打。そこに左の蹴りの旭那は顔を避ける。右ロー、右オーバーハンドの田上。ブロッキングの旭那は左前蹴りで牽制。田上は右ロー。下から突き上げるパンチを見せる田上はニータップでヒザも触る。 右カーフを2発当てて旭那の組みを切る田上。ヒザ蹴りの動きも見せてテイクダウンを警戒すると、右ハイを旭那のガード上に当てる。オーソから左ジャブで圧力をかけて金網を背負わせた田上は、左ジャブから左アッパー、右フックの対角線攻撃、さらに回転上げて左右フックに被弾した旭那は、ダブルレッグへ。 スプロールして切る田上は、右フック、右ローで前に。ガード固める旭那に左右ボディ打ちから顔面と打ち分け首相撲ヒザ! 旭那の組みにダブルレッグテイクダウン。旭那のギロチン狙いも首を掴ませずトップからパウンド。左で差す旭那を右オーバーフックで押さえ込み左ヒジ。旭那はハーフで凌ぎ、ホーンに両者すぐに立つ。田上のラウンドに。 2R、上体を立ててオーソに構える田上は右カーフで旭那の足を流す。旭那はシングルレッグを見せるが田上は切る。 左ジャブの田上。右から左ボディ! 続く右カーフはかわした旭那は左ローも空振り。圧力をかける田上は左ジャブから右フック。旭那はローシングルも切られる。 右ハイをブロックする旭那に、左右をまとめる田上。旭那は左ジャブも単発。田上は右ロー、左ジャブをガードの間に突く。さらに右ローをヒット。入れない旭那に右の飛び込みは田上。左ジャブを返す旭那はダブルレッグに入るが、ここも切る田上。強い左ジャブを刺す。 3R、左ジャブから入る田上。さらに左ハイ、左インローと蹴りのコンビネーションも。右ローを効かせる田上に、旭那はシングルレッグも切る田上。続けて詰めたい旭那だが離れる田上は右の飛び込み。その打ち終わりダブルレッグ、シングルレッグの連続タックルの旭那を切る田上。 じりじりと詰めた左から右の高速ワンツーの右がヒット! 一瞬動きが止まった旭那にさらに右! 腰を落とした旭那に殴り掛かる田上。旭那は座り込んで足を手繰りに行くが、触らせず中腰から左右打ち下ろしで亀になった旭那にパウンド! 亀から左で差して押し込もうとする旭那をスプロールしながら左の打撃を打ち込む田上が離れると、旭那も立ち上がり。詰める田上に旭那はシングルレッグから左足をかけることに成功。左で腰を抱こうとするが、そこにまたいで上を取り返そうとする田上。旭那はその動きを利してハーフから横回転でスイープして上に。 両足は束ねられなかった旭那は右にパス狙い。下の田上はそこにギロチン狙いも、対角に跳んでパスした旭那はサイドからマウント! 田上は一瞬、後ろを見せてから腰を入りハーフに戻すと、右枕の旭那は背中を着かせてサイドに。ヒジを落としたい旭那だが、田上は下から右足を首にかけてバギーチョーク狙い。首を外した旭那は頭をまたぎキムラ。十字狙いへ。左に回り、ヒジを抜いた田上は立ち上がり、両者見合いホーン。旭那はグラウンドに持ち込むもニアフィニッシュならず、ダウン奪った田上のラウンドに。 4R、スイッチする田上に、ローシングルの旭那。切る田上は、右回りで右ストレートを打ち込む。旭那はシングルレッグのレベルチェンジもここは深追いせずプレッシャーをかける。 オーソから左ハイの田上。旭那はテイクダウンのフェイントから左ジャブ。左インローを当てる。3Rのグラウンドを警戒する田上は踏み込みの数が減る。ジャブで牽制する田上は旭那の入りに右を狙う。右ローは空振り。右を突いた田上。ジャブを当てる。圧力をかけると下がる旭那。左ハイ、右ローをガード上に当てる田上は、アウトキックボクシングでチャンピオンシップラウンドを取る。 5R、中蔵、松根、両チーム代表から送り出された2人はグローブタッチ。詰める旭那は左を伸ばしてニータップで組みに。ケージに詰まらず右に回って切った田上は右を打ち込み離れる。 左ジャブの田上はサウスポー構えに。旭那は入るタイミングをうかがう。右ローの田上は右ハイもガード上に当てる。詰める旭那を右ストレートで牽制する田上。サークリングし、左アッパーを突く。しかし徐々にケージに詰めた旭那が田上の右を潜ってダブルレッグへ。 尻を着かせるが、金網使い立つ田上。その際でバッククリンチを狙う旭那は、両差しで再び崩すと腰を抱いて手前に引出すが、田上はすぐにケージ際に戻り、左手をマットに着いて右ヒジを腰を抱える旭那の頭に落とす。 左足でまたいでいる旭那は田上をケージから引き剥がしたいが、田上はバックを譲らず。上体をケージに立てる。田上の右足を自身の右足に乗せた旭那は足関節も狙うが、足を抜いてラバーガード狙いの田上は蹴り上げも。 その足をさばいてかつぎパスの旭那がサイドへ出たところでホーン。田上が両手を挙げて先に立ち上がった。 判定は、49-46、50-45×2の3-0で田上が勝利。第11代修斗世界ストロー級王者に輝いた。 試合後、田上は「今日、こうして応援に来てくれたみんな、ホンマにありがとうございます。支えてくれた皆さん、家族もありがとうございます。このベルトはみんなで獲れたベルトだと思っています。まだまだ上を目指して頑張ります。 今日はホンマ、KOして言うつもりだったんですけど、自分は喧嘩を売りたい相手がおって、階級を上げたけど、最近負け続きですけど、新井丈チャンプ。打ち合う選手やし、自分はやってオモロイカードをやりたいんで。他団体との対抗戦とか色々考えたですけど、修斗でオモロイ試合は、階級も違うけど殴り合って、キャッチウエイトでも階級を上げてでも良いし、一番オモロイ試合になるんちゃうかなと思います。チャンピオンにしか出来ない試合がしたいし、僕は防衛戦を1年に1回じゃなくて、毎試合防衛したいと思っているし、負けたらベルト渡すし、これからの試合、全部、防衛戦だと思ってるんで、チャンピオンとしても、格闘技界を盛り上げてオモロイ試合をしましょう」と語った。 ◆ダイキ・ライトイヤーが蹴り上げ効かせて野瀬にスプリット判定勝ち。環太平洋バンタム級王者に ▼環太平洋バンタム級チャンピオン決定トーナメント決勝戦 5分3R 〇ダイキライトイヤー(修斗GYM神戸) [判定2-1] ※29-28×2, 28-29 野瀬翔平(マスタージャパン福岡)1位 9月からスタートした「環太平洋バンタム級チャンピオン決定トーナメント」決勝戦、野瀬翔平(同級1位/マスタージャパン福岡)vsダイキライトイヤー(修斗GYM神戸)の一戦。 『ROAD TO UFC』や『RIZIN』にも出場経験のある野瀬は、初戦で人見礼王(修斗GYM東京)と対戦。1ラウンドは得意のサブミッションで攻め立てたが人見に凌がれ続け、2ラウンドに入ると逆にパンチを被弾し一転窮地へ。あわや逆転KO負けかと思われたが、ダブルレッグテイクダウンからの大逆転のキムラロックで見事勝利。決勝へと駒を進めた。 対するダイキは初戦の相手だった川北晏生(TRIBE TOKYO MMA)の直前の欠場で戦わずして決勝進出。今回、地元関西でのタイトル戦で燃えない訳がない。3月のRIZINでは金太郎に判定負けしたダイキだが、”To infinity, and beyond!!”。今回、不本意な形での決勝進出となるが運も味方につけたダイキライトイヤーが初戴冠を目指す。 大激戦の末、勝ち上がった野瀬と、ノーダメージのダイキ。寝技なら野瀬。打撃ならダイキ。いずれにしても激戦の予感プンプンするトーナメント決勝戦で伝統のベルトを巻くのは野瀬か、ダイキか。 1R、サウスポー構えの野瀬に、オーソドックス構えのダイキ。野瀬の入りに右の蹴りはダイキ。野瀬はかわしてすぐに詰めてダブルレッグへ。右ヒザを狙うダイキは切ってシングルレッグで右に頭を出して押し込み。そこに野瀬はギロチンチョークへ。 アームインで絞めてクローズドでグラウンドに引き込むと、首をずらしたダイキに、いったん足を解いてダイキの右腕の上から足を組み直すが、ヒジを曲げて足を解かせたダイキ。なおもアームインギロチンの野瀬は足をクローズドに組み直して絞め。 足を解いて下から跳ね上げてスイープしてトップに。ここでダイキは両足を間に入れてフックガード。野瀬は中腰になりパウンド。ダイキは野瀬の左足を手繰りつつ、蹴り上げ、草刈狙いも、足をさばく野瀬がパスガード。一瞬サイドも、腰を切るダイキがガードに戻してギロチンのプレッシャーをかけながら上体を金網に立てて立ち上がりに。 首を抜く野瀬は、金網背に座るダイキの首を上から抱え、左で差すダイキを右小手で潰しながら寝かせて左前腕で首を押し込み、マウント、パウンド、ヒジ、脇を開けさせ肩固め狙い。 下のダイキはケージを蹴ってシザースを狙うが、野瀬は脇にかけさせず、右のパウンド。そのスペースで足を戻して蹴り上げのダイキをかわしてパス狙い。ダイキも亀になって立とうとするが、バックマウントにつこうとする野瀬は、ヒジを落として足を四の字ロック。ダイキの向き直りにオタツロックからツイスター、ワンハンドでリアネイキドチョークを狙う。野瀬のラウンドに。野瀬は鼻から出血。 2R、オーソから長い右を突くダイキは、右ミドルも。その打ち終わりにシングルレッグからダブルレッグテイクダウンの野瀬。ダイキは蹴り上げ狙いも、野瀬は足をさばいてハーフに。右で差して脇に頭を突っ込もうとする野瀬に、足を効かせてフルガードに戻すダイキ。 中腰になる野瀬は右のパウンド。しかし蹴り上げを効かせたダイキは、野瀬の足のさばきにさらに右踵のペダラーダ! 野瀬の右腕を掴んで崩すとオモプラッタ狙い。煽られ中央に戻る野瀬に下からヒジ! しかし、野瀬は足をさばいてマウントに! 背中を着かせた野瀬は、左右のパウンドを落としながら、脇を開けさせて腕十字へ。その瞬間にダイキはヒジを抜いて立ち上がり。亀になる野瀬にヒザ蹴り。すぐに立ち上がる野瀬にヒザを突く。 組み付く野瀬はケージまでドライブして、シングルレッグで押し込み。ヒジを打ちながらも下になるダイキ。野瀬は半身のダイキをハーフのトップから押さえ込みホーン。踵落としのダメージはダイキ。ポジションニング、コントロール、細かい打撃は野瀬。 3R、ダイキは右の前蹴り、その蹴り足を掴む野瀬は、足を抜くダイキの左ストレートの打ち終わりにダブルレッグ、ケージに押し込む。 金網背にダイキはキムラクラッチで崩して立ち上がり。野瀬を突き放す。スタンド。野瀬の右ジャブに、ダイキは右ストレート、インロー。サウスポー構えから前手の右フックを当てた野瀬は前進。 ダブルレッグでケージまでドライブ。金網で立つダイキにシングルレッグに引き出して崩す野瀬に、ダイキはスプロール、立ち際にヒザを突いて金網に押し込みワンツー! 右を振る野瀬をかわして右ストレートを打ち込むダイキに野瀬は左回りに。ワンツーを振る野瀬にダイキは右の高いヒザ。 互いに見合うなか、右で飛び込む野瀬の打ち終わりに右フックを当てるダイキ、野瀬は鼻血。ダイキの右ハイに野瀬はガード。ともにローの蹴り合いから、野瀬は右前手フック。ダイキのワンツーシスリーの連打を辛うじてかわす。 左の相打ち、右の相打ちはダイキが当てる。ともに単発で苦しい展開。右インローと右ストレートを当てるダイキは笑顔を見せると、野瀬も右ジャブ。左フックは空振り、ダイキは右ストレートから左フック。野瀬は右ジャブ。ダイキの右をかわして左からダブルレッグへ。右に回りスプロールするダイキは亀で押し込もうとする野瀬に左ヒジ! さらに中腰になると野瀬の頭を押さえてアッパー。左のダブル! 野瀬の右に右のクロスを合わせると、野瀬の鼻血が多くなる。野瀬も右フックをダブルで突いて前進。ダイキは左フックの内側に右ストレートを突いて右回り。 右の突き合い、野瀬は左を振って組みに行くが突き放すダイキが、右ボディ、右カーフ、ワンツー。下がらず前に出る野瀬が右フックを打ち返し、左ストレート! しかし、笑顔のダイキも右ストレートを返し、両手を広げて効いてないとアピール。野瀬も同じく両手を広げて右から左を振る。ダイキは頭を下げての右フックを突いて右ボディも。右に回りながら追ってくる野瀬に右を突いて、最後に追った野瀬が右を振ってホーン。 判定は2-1(29-28×2, 28-29)でダイキが勝利。修斗環太平洋バンタム級のベルトを腰に巻いた。 スプリット判定勝ちで第13代環太平洋バンタム級王者となったダイキは、ケージの中で「まず初めに、結果もロクに出してこれず、ランキングにも入ってない自分を信じてずっとついてきてくれてありがとう。ホンマにみんなのおかげだと思っている。こんな自分でもチャンピオンになることができました。諦めなければ夢が叶うというのを証明できました。いろいろ悩んでいる方もいると思うんですけど、自分を信じて諦めずに何事も頑張っていってください。修斗をやってきてよかった。ありがとう」と語り、最後にキッズ修斗でも活躍する愛息・坪田璃一と記念撮影に収まった。
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