怠惰や無能ではない…内なる完璧主義が原因に 「先延ばし」をどうしてもやめられない人の頭の中
たとえば、あなたは今日、メールやメッセージをいくつ受信するでしょうか? あなたが子育てグループや職場グループのメンバーなら、きっと大量に受信するでしょう。では、グループ・メッセージに返信しないとどうなるか、試したことがあるでしょうか? おそらく、「至急」とされる大多数は、あなたの返信がなくても解決したでしょう。けれども、返信しないことは難しく感じられるかもしれません。なぜなら、スモール・トラウマがあなたをグループの「調整役」になるよう駆り立てるからです。
子どもの頃、あなたは、何ごとも自分が仕切らなければならないと感じていたのではないでしょうか? もっとも、あなたが頼られることに生きがいを感じていて、それが燃え尽き症候群や極度の疲労といった問題を引き起こしていなければ、それはそれでいいのです。 とは言え、実際には、スモール・トラウマによる「先延ばし」という行動パターンが、かなり不快な症状を引き起こしているのを、私は毎週、診察室で見ています。しかし、計画的な先延ばしによって、それを好転させることができます。特にあなたが、1日24時間では足りないと感じているのであれば、そうすることをお勧めします。
なぜなら、タスクの多くは、あなたが思うほど重要ではないからです。いくつかの仕事、たとえば意思決定の前に十分な情報を集めるといった仕事は、先延ばしすべきではないとしても、それ以外の仕事は、思うほど重要ではありません。メールやメッセージの大半は重要でないのです。 日々の暮らしには、洗濯、洗い物、無数の家事など、片づけなければならない細々とした仕事がたくさんあります。この種の仕事に忙殺されるのは、何かをやり終えると、それが些末なことであっても、良い気分になれるからです。たとえば洗濯物は、映画「グレムリン」のモグワイのように増えていきますが、その山を仕分けして、すっかり片づけると、少量のドーパミンが放出されます。それと同等のドーパミンを、1万語のレポート、売り上げ目標、KPI (重要業績評価指標)などで得るのは難しいでしょう。