早川書房からコミックレーベル「ハヤコミ」誕生!『同志少女よ、敵を撃て』など名作の漫画化が話題【編集長インタビュー】
――入社は何年前ですか。 𠮷田:26年くらい前ですね ――ということは𠮷田さんの26年越しの悲願がかなったということですね。 𠮷田:そうですね。いつか漫画事業を行いたいなと思っていたのでほんとうに良かったですね。私は漫画連載の担当を属人的にやっていて、それはそれで少しずつ積み重ねていけばいいかな、というのがずっとあったんですが、これからはコミック事業としての売上も重要ですし、かつ早川書房の多くの作品とのシナジーがやはり大事になってくるので、私個人ではなく現在はチームとして「ハヤコミ」が動いている形になります。
「ハヤコミ」ラインナップ
――「ハヤコミ」のラインナップについて聞かせてください。まず、先ほども触れました二階堂彩さんによるアガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』のコミカライズが目を引きます。 𠮷田:ミステリ作品で一番メジャーで、誰が聞いても分かるのは、やっぱり『そして誰もいなくなった』だろうと。デスゲームの源流になっている作品として海外だけじゃなくて日本の漫画や映画などいろいろなところに影響を与えた作品でもありますので、ハヤコミのラインナップとしてクリスティーのメジャータイトルは意識しています。 ――個人的に私の大好きな森泉岳土さんが漫画を書かれているスタニスワフ・レムの『ソラリス』(2025年1月22日に上下巻で刊行予定)に注目しています。森泉さんはジョージ・オーウェルの『一九八四年』(『村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」』河出書房新社刊)をコミカライズしていますし、フジテレビの『世界SF作家会議』の挿絵を描かれているなど、SF作品との関わりが強いですね。 𠮷田:SF作品のコミカライズに関しては『ソラリス』以外にもSFのタイトル候補があったのですが、森泉岳土さんご自身が『ソラリス』を描きたいとおっしゃって 、そこがこのコミカライズで一番大きかったですね。SNSでも漫画版ソラリスの執筆の進捗を発信されていますね。