月に20万以上!認知症の母、ダウン症の姉と暮らすにしおかすみこがカリスマ介護士に相談した「施設に入れない」理由
介護保険見直し、訪問介護の処遇に怒り
見たのは民間だけだったとはいえ、施設の費用の高さに衝撃を受けたにしおかさん。さらに、介護保険料を払っているのに使いたいサービスが使えない、介護保険制度の矛盾を感じたという。 介護保険は、介護の社会化を掲げ、2000年にスタート。現在では、約690万人が要介護(要支援)認定を受けている。3年ほどで改正があり、負担増と給付カットが繰り返された。2024年春の介護報酬改定で、訪問介護は基本報酬が引き下げられた。 「全体の介護報酬が上がったのに、訪問介護は下がった。なんで?って思って。ヘルパーさんがより大変になるし、離職がより進んでしまうじゃないですか。 それに福祉サービスを利用したい私たち、介護保険の1割負担の人たちが2割負担になるかもしれない。あと要介護1と2は、介護保険から外れるかもしれない。でも65歳以上は、介護保険料が上がった。これでは保険料を払っているのに、使いたいサービスが使えなくならないですか?経済的に余裕のない高齢者の方やそれを見守るご家族、もちろん私とウチの家族はどうやって生きていったらいいのかな?って思います」 高口さんは、にしおかさんの疑問を受け、具体的に説明した。 「施設のことですが、介護保険法が、在宅を推進するところからスタートしました。住み慣れた地域で最期までっていうのが基本、でも最後の最後に本当に困ったときには施設が受けようっていうのに、その施設にお金がかかるようになったのが問題です。 そしてもう一つは、介護保険を申請し、要介護度に合わせて支給限度額があって、その範囲内で介護が受けられます。介護度が高い人ほど回数を多く利用できるとか、介護度が上がってショートステイできる。利用者1割負担で何とかやっていたんだけど、2割負担になっても、介護事業所がいただくお金は変わらないんですよ。 ご家族からすると、10万かかったとすればそのうちの1割をご家族が払って1万、残りの9万は国からいただいていた。ところが家族は2割負担になったから2万円、残りの8割は国からです。ご家族は負担は多くなったんだからもっと良い介護をしてくれるんじゃないかと思う。3回行っていたところを2回にせざるを得ない」