「世界初導入」ロボットが支えるBEAMSの新物流拠点、アパレルの次世代自動化技術
アパレル事業者が今1番望むマテハン機器とは
なお、入荷のトラックバースは2つ使っている。限られたスペースしかないので、パレタイズやパレット搬送などは自動化していない。ただ「今後はあり得なくはない」とのことだった。 深川拠点の今後については「まずは使いこなしと安定稼働に注力している状況で、具体的な将来までは考えられていません。ですが長らくいる倉庫になると思うので、常に状況に沿った動きができるようアンテナを張り続けたいと思います。」(幡野氏)。 大阪拠点への自動化機器導入の検討も進めていくことになる。 アパレル事業者として欲しいマテハン機器はあるのかと聞いてみたところ、「ハンガー品の仕分けができるマテハン機器があったら良いのにとずっと思っています」とのことだった。以前の物流拠点にはハンガー用のソーターがあったが、アパレル企業にしか需要がないとのことで、すでにメーカーが撤退してしまっており、ノウハウも失われていた。上からつり下げる機器だったので天井の梁(はり)スパンが変わると設計もやり直しで、移管ハードルが高く、あきらめたという経緯がある。 ほかにも大掛かりなものはなくはないが、高くつく。ビームスでも「CUEBUS」を搬送だけではなくソーターとしても扱えないかと考えて検討したそうだが効率が上がらず、「とても投資対効果が出ない」と判断した。より手頃な予算で導入しやすい、ハンガー対応のソーターがあると良いのに、と思っているという。 トヨタL&F導入事例 ポケットソーター(株式会社ZOZO様) もう1つ、あれば良いと思っている機器は、洋服を畳み直せる機器だそうだ。こちらも、すでにあるにはあるが、動作速度が遅く、人間が手でやったほうが速い。このあたりに技術シーズを持つ企業はチャレンジしてみると良いかもしれない。
執筆:サイエンスライター 森山 和道