愛知のジビエ普及へ。山間部生産側と都市部消費側のネットワーク準備会発足
国の認証制度には不安の声も
名古屋市中区で開かれた初会合には、意見交換会で趣旨に賛同した26の団体などから18人が出席。ボランタリーネイバーズの大西光夫理事長、愛知県農林水産部の担当者らは進行役やオブザーバーとして参加しました。 世話人代表で広告代理店「三晃社」の松良宗夫顧問がこれまでの取り組みなどを報告した後、県の担当者が今年度の県の予算や取り組みについて説明。ジビエに関するフォーラムや商談会、PRイベントを委託事業で開きながら、協議会の設立に向けて後押しをする方針を示しました。 また、農水省が先月発表した「国産ジビエ認証制度」についても紹介。全国的なジビエの消費拡大のため、新たに設けた衛生管理基準や流通規格、トレーサビリティー(食品がどのような移動をたどったか把握できること)などを適切に守る食肉処理施設を認証し、表示ラベルを用いて消費者に安全・安心をアピールするなどと説明しました。 しかし、これに対しては出席者から「気持ち的にはやらなければと思うが、コストや手間の増加に耐えられるだろうか」「同じ飼育環境で育てている牛や豚と同じような規格化が、ジビエでは当てはめにくい」などと不安を感じる声も上がりました。県の担当者は、さらに国の情報を収集する必要があるとの認識を示しました。 協議会は一般社団法人としての発足を目指し、今後は定款の作成などを進めて、年内に設立総会を開催。年明けから定款認証などの申請手続きに入り、来年3月に法人設立というスケジュールで動きます。 宣伝広報活動は今から積極的に進めることも確認。名古屋駅前のビル街や栄のホテルなどでジビエのイベントを計画している参加者もあり、宣伝や連携などの協力が呼び掛けられました。大西理事長は「こういう協議会があるよ、一緒にやろうと、組織をつくりながら興味のある人を呼び込みたい。名駅などで、ここに行けばジビエの店がいくつもあるという拠点ができればいい」と話していました。夏ごろにはホームページも作成するそうです。