フランスの銘菓「マカロン」 マクロン大統領夫人の実家は人気の老舗 大森由紀子のスイーツの世界
フランス人に「土産菓子ってフランス語でなんていうの?」と尋ねると、「そんな単語はないよ」と返ってきました。確かにこの国には、旅先でお菓子を買って知り合いや同僚に分ける習慣はありません。 【写真】ブリジット夫人と手を取り合うマクロン大統領 とはいえ、フランス人も地方に行けば、その土地の銘菓を探します。そういった土産菓子の代表がマカロン。地方ごとに少しずつ異なる多くのバリエーションがあるのですが、有名なのはロレーヌ地方のナンシーのものでしょう。 当地のマカロンは、フランスにこの菓子を伝えたとされるカトリーヌ・ド・メディシスの孫娘が建立した修道院のレシピが起源とされています。フランス革命によって修道院が破壊され、追われた2人の修道女。逃げ込んだ先は医者の家でした。彼女たちはかくまってくれたお礼にと、修道院のレシピでマカロンを作ります。その味はやがて町の評判となり、今日まで続くナンシー銘菓となったのです。 そのほか、北フランスのアミアンで150年以上続く老舗「Jean Trogneux(ジャン・トロニュー)」の、はちみつやアプリコットジャムが入ったマカロンもよく知られています。この名店、実はマクロン仏大統領夫人、ブリジットさんの実家でもあるのです。 大森由紀子 おおもり・ゆきこ フランス菓子・料理研究家。「スイーツ甲子園」(主催・産経新聞社、特別協賛・貝印)アドバイザー。