Core Ultraシリーズ2のHX、H、U、Sの追加SKU発表。フルラインアップが完成
Intelは、CESの開幕前日(1月6日、現地時間)の午前中に記者会見を開催し、同社の新製品などを発表する。それに先だって報道発表が行なわれ、CESで発表される同社の新製品が発表された。 【画像】Core Ultra 200HX 発表されたのは、Core Ultraシリーズ2のノートPC向けとなるHXシリーズ、Hシリーズ、Uシリーズという3つの新しいモデルと、デスクトップPC向けのSシリーズのうちの倍率ロック版SKU。9月に発表されたVシリーズ、10月に発表されたK付き(倍率アンロック)のSシリーズと合わせて、Core Ultraシリーズ2のフルラインアップが完成した。 ■ 昨年(2024年)発表された200Sに追加SKU、ゲーミングノート向けの200HXが発表される Intelは昨年の9月にCore Ultraシリーズ2の最初の製品となるCore Ultra 200Vを発表した。Core Ultra 200Vは開発コードネーム「Lunar Lake」で知られる製品で、パッケージ上にメモリが搭載されている「MoP(Memory on Package)」が特徴で、その容量は32GBないしは16GBだった。 その後、10月にはデスクトップPC向けのCore Ultra 200Sを発表した。開発コードネームでArrow Lake-Sで知られる製品で、K SKUと呼ばれるゲーミングPC向けCPUで、最大クロック倍率がロックされていないバージョンがまず発売された。 今回のCESで発表されたのは、そうしたSシリーズの通常SKUのデスクトップPC向け製品と、ゲーミングノートPC向けのHXシリーズ、ゲーミングないしはコンテンツクリエーション向けとなるHシリーズ、さらには薄型ノートPC向けとなるUシリーズで、いずれもArrow Lakeの開発コードネームを冠している。 Core Ultra 200Sのデスクトップ向けの通常版では、PBP(Processor Base Power、いわゆるTDPのこと)が65W(無印)、35W(T SKU)といった、低めに設定されている製品が追加されている。 Core Ultra 200HXと呼ばれるHXシリーズ(Arrow Lake-HX)は、PBP(プロセッサーベースパワー、いわゆるTDPのこと)が55Wと、ゲーミングノートPCなど大型のノートPCをターゲットにした製品となる。基本的にはCore Ultra 200Sと同じダイで、ノートPC用に消費電力を下げた。このため、SoCとチップセット(Intel 800シリーズ・チップセット)を組み合わせて利用する形になる。 CPUの構成は、6基のPコア(Lion Lake)と16基のEコア(Skymont)が最大構成になり、SKUによってはコアをいくつかを制限した形になる。GPUは、XeアーキテクチャのIntel Graphicsとなるが、PCI Express 5.0の16レーンが用意されており、NVIDIAやAMDのdGPUを接続して利用できる。 ■ XMXに対応したArcを内蔵している200Hと、薄型ノートPCの廉価版向けとなる200U Core Ultra 200Hと呼ばれるHシリーズ(Arrow Lake-H)は、PBPが45Wと28Wになる薄型のゲーミングノートPCないしはコンテンツクリエーション向けノートPCをターゲットにした製品。 SシリーズとHXシリーズは、PコアとEコアしかないが、HシリーズではPコア(6コア)、Eコア(8コア)とは別に、LP Eコア(2コア)が用意されており、アイドル時などにはLP Eコアに切り替えて動作することで、アイドル時の無駄な電力消費を削減できる。 また、ほかのArrow Lakeベースの製品は、XeアーキテクチャのIntel Graphicsになっているが、HシリーズはIntel Arcになっており、行列演算などを高速に行なうXMXエンジンを内蔵している。このため、GPUのAI処理性能は最上位SKUのCore Ultra 9 258Hで77TOPSになっており、NPUの11TOPSとCPUによる性能を合わせて、SoC全体で99TOPSの性能を実現している。 PBPは最上位SKUのCore Ultra 9 258Hが45W、それ以外の製品は28Wになる。SKU構成は以下の通りだ。 Core Ultra 200Uは、Core Ultraシリーズ1(Meteor Lake) Uシリーズ製品の後継製品となる。同じ15W前後のPBPに設定されている製品として、Core Ultra 200V(オンパッケージのDRAM分をいれて17WのPBPに設定されている)があるが、Copilot+ PCの要件である40TOPS以上を満たしていることがCore Ultra 200Vのメリットと言える。それに対してCore Ultra 200UのNPUはIntelの第3世代NPUであるため11TOPSであり、Copilot+ PCの要件を満たせない。 こうしたこともあり、IntelはCore Ultra 200Vを同じ薄型ノートPC向けでもプレミアム向けと位置づけており、より高付加価値価格帯の製品向けをターゲットにしている。それに対してCore Ultra 200Uは、より普及価格帯の製品向けとされており、より廉価な製品に採用される製品になると考えられる。 Intelによれば、Core Ultra 200HとCore Ultra 200Uを搭載したシステムは2月から、Core Ultra 200HXは第1四半期中に提供される予定。Core Ultra 200SのPBPが65W、35Wの製品は1月13日以降にOEMメーカーなどのシステムに搭載されて提供開始される計画だ。
PC Watch,笠原 一輝