徹底したマネジメントの今平周吾はトラブルを乗り越え16位タイ! フェアウェイキープ率は驚異の76.92%
「気持ちを切り替え耐えました」(今平)
◆米国男子プロゴルフ ZOZOチャンピオンシップ 10月24~27日 アコーディア・ゴルフ習志野CC(千葉県) 7079ヤード・パー70 【写真】これが日本OP優勝を呼び込んだ今平周吾の新パターグリップです
ボールが木に引っかかってしまいダブルボギーを叩いても、日本オープン覇者である今平周吾は16位タイに踏みとどまった。 日本を舞台に行われているPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」2日目。4アンダー7位タイからスタートした今平は15番パー4でトラブルに見舞われた。右へ飛んだティーショットが、「昨日と同じ方向に行ったけど(木から)落ちてこなくて」とロスト。1罰打で打ち直しダブルボギーを叩いてしまう。
だが、ここからズルズルとスコアを落とさないのが実力者。続く16番パー3ですぐに1メートルにつけてバーディーを奪うと、パー5の18番でも6メートルに2オン。楽々バーディーを決めてダブルボギーを帳消しにした。 「とりあえず、今日のオーバーを取り戻そうかな、と気持ちを切り替えました。耐えました」と笑った。 その甲斐あって後半アウトコースは2バーディーノーボギー。一時は通算1アンダーまでスコアを落としたが見事にカムバック、スタートより1つスコアを伸ばす通算5アンダー16位タイで2日目を終えた。 2019年の第1回大会から連続で出場し今年が6回目だが、過去5回との大きな違いは「マネジメント」だという。 「今まではドライバーで攻めていた。そのあたりが(今年は)冷静にできています。3番ウッドの精度が上がったというのもありますけど。(マネジメントが変わってきたのは優勝した)日本オープンの前くらいからですかね」と打ち明ける。 「マネジメントが大事だなと思うようになって。フェアウェイキープした方が疲れない。ムダなミスをしないから」という言葉どおり、フェアウェイキープ率は2日間で76.92%、出場78選手中2位タイの数字を誇る。 木下稜介とデッドヒートに競り勝った日本オープンでも生きた徹底したコースマネジメントは、PGAツアーの舞台でも落ち着いたプレーにつながっている。 日本オープン優勝の決め手となった最終日も最終ホールの”雄叫び“は、今もネット上をにぎわせている。20メートルのバーディーパットをねじ込んだ瞬間の心からの叫びだが、それについて聞かれると「見ました。でも柏木さん(キャディー)の声の方が大きい。かき消されてますよ」と照れた。 残り2日間、首位との差は6打。雄叫びを上げるような、これまでとは違う今平ならPGAツアーの面々を驚かせることもできるかもしれない。
今平 周吾(いまひら・しゅうご)
1992年生まれ、埼玉県出身。2011年、19歳でプロ転向し、14年の下部ツアーで賞金王に。レギュラーツアー初勝利は17年の「関西オープン」。18年、19年は2年連続で賞金王に輝いた。24年は「日本オープン」で節目の通算10勝目を達成。シーズン連続優勝記録を7季に伸ばすとともに、地元・埼玉県狭山市で国内メジャーを初制覇した。ロピア所属。
小川淳子(ゴルフジャーナリスト)