カメラでメガネが楽しくなる「Ray-Ban Meta」を買ってみた
音声操作には対応していますが、スマートフォン全体のコントロールやほかのアプリなどとの連携はいまいちです。よくある、タッチジェスチャーによる外部の音声アシスタントの起動は非対応で、例えばGoogleアシスタント(Gemini)の起動はできません。 音声通知も、例えばGmailやLINE、X、その他各種アプリの通知も非対応です。FacebookやInstagramの通知は音声でしてくれるのに、このあたりは不便な点です。 ■今後のAI対応に期待 Ray-Ban Metaには、今後AI機能も搭載されると予告されています。すでにベータ版として米国ユーザーには提供されているようですが、フランスで購入したためか、現時点で利用できる状態になっていませんでした。 ただ、カメラで撮影したときにレンズに髪の毛が写っていたかどうかを警告してくれる機能(撮影後に「Camera was covered by hair」とのメッセージが流れる)があり、リアルタイムにカメラの画像を解析していることが分かります。
現状では、カメラに写ったものを教えてくれるGoogleレンズ的な機能やQRコードの読み取り機能などが予定されているほか、音声翻訳機能も提供予定とされています。
現状、日本語にまったく対応していないため、例えばFacebook Messengerの通知でメッセージ内容の読み上げも機能しません。音声翻訳機能も現状日本語はターゲットに入っておらず、日本での販売も当分はなさそうです。 言語の壁を越えられないというAIとしては中途半端な状態ですが、これはAppleやMetaのような巨大企業でもまだまだ研究が足りていないということでしょう。いずれにしても、メガネにカメラが搭載されると夢が広がります。 自分自身は今までメガネをかける習慣がなかったのですが、すでに老眼が始まっているのでそのうちメガネが必要になりそうで、そうしたときに常にかけるメガネにカメラが搭載されていれば、自然に撮影ができるようになります。さらに、周囲の映像を取得できるため、自然と「スマホの目」となってスマートフォンが世界を認識できるようになります。 メガネ自体がディスプレイ化したARグラスではないため、できることは限られますが、カメラを搭載するとスマートフォン自体も進化する。Ray-Ban Metaはそんな可能性を想像させる製品でした。 ■ 小山安博 こやまやすひろ マイナビニュースの編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。最近は決済に関する取材に力を入れる。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。デジカメ、PC、スマートフォン……たいてい何か新しいものを欲しがっている。
小山安博