“最後の選手権”は鹿児島決勝で終幕。神村学園FW名和田我空は「ほんとにまだまだ」「次のステージでまた頑張りたい」
[11.17 選手権鹿児島県予選決勝 鹿児島城西高 1-0 神村学園高 白波] 「色々期待されていたり、ほんとに本気で今年は日本一を狙ってたので、ほんとにまだ整理はできてないんですけど、自分たちの隙だったり、自分としても力不足だっていうのは凄く感じたんで、ほんとにまだまだだなっていうのと、これをどう次に活かすかっていうのは自分次第だと思います。各個人、サッカー続ける選手ばかりなので、次のステージでまた頑張りたいなと思います」。注目校・神村学園高のU-18日本代表FW名和田我空(3年=神村学園中出身)は、“最後の選手権”を鹿児島県予選決勝で終えた。 8連覇をかけた決勝。神村学園のエースナンバー「14」を背負うFWは、鹿児島城西高のMF中村颯太(2年)や交代出場のMF中村慶登(3年)に監視されながらの80分間だった。それでもシャドーの位置から下りてビルドアップに係わり、正確なプレースキックでチャンスを演出。また、後半は幾度かマークを外してドリブルでゴールへ迫るシーンもあった。 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 だが、タッチが少しでも多くなると鹿児島城西DFはあっという間に2人、3人が集結。打ち切る前にシュートコースを消され、足にボールを当てられてしまう。後半37分の失点後はよりボールを引き出し、自分の力でゴールをこじ開けようとしていたものの、同点ゴールを生み出すことはできず。結果、名和田の公式記録上のシュートは前半の1本のみだった。 名和田は昨年のU17アジアカップでMVPと得点王の2冠。昨年度の選手権(8強)では全3試合でゴールを決め、今年のインターハイ(準優勝)は9得点で得点王に輝いている。プレミアリーグWESTでは出場16試合で13得点を叩き出し、今回の選手権予選も準決勝までの5試合で脅威の18ゴール。だが、プレミアリーグ勢・鹿児島城西の厳しいマークの中でもゴールをもぎ取る力が足りなかった。 プロで活躍するためには、やらなければならないことがまだまだたくさんある。名和田は「やっぱりこの身長(172cm)で自分が持ってるクオリティだったりを、ストロングを伸ばすとこだったり、守備の部分もウィークもいっぱいあるので、そこもしっかり向き合っていって……次のステージに行ってからも時間はあっという間だと思うので、この3年間で時間があっという間だなっていうのは凄く感じたので、そこはほんと1日でも無駄にしないように自分と向き合っていきたいです」と誓った。 名和田は敗戦を告げる笛が鳴ると、ピッチ上で仰向けになり、両手で顔を覆っていた。「どういう感情だったか覚えてないですし、終わったなっていう感じで……」。その後、整列、表彰式では無念さを必死に堪えながら、顔を上げて前方を見つめていた。 「決定的な仕事を自分ができなかったっていうのが、本当にチームを勝利に導けなかった要因だと思います。ほんとに申し訳ないなっていうのが、凄くあって。色々期待してくれてた方々に、勝利を届けられなかったのが悔しいです。繋いできた歴史だったり、後輩たちに残すものはまだまだあったと思うんで、そこを自分たちが崩してしまったっていうのは凄く悔しいです」 中高6年間を過ごした神村学園での生活も間もなく終わる。中学時代はMF鈴木悠仁(3年)やDF新垣陽盛(3年)、FW金城蓮央(3年)らと全国中学校大会で初優勝し、高校でもインターハイで初の決勝進出、準優勝。神村学園の歴史を塗り替え、自身は年代別日本代表の中軸として世界と戦ってきた。 「入学してからそんなに自分が思い通りに行ってはないので、本当に苦しいこともありましたし、こうやって悔しい思いもしてきたので……。でも、神村学園に来てなかったらこういう選手にもなってないと思うし、自分の特長を自分で見つけて、そこを最大限伸ばしてくれたのが神村学園なので、次のステージでほんとに活躍している姿を届けていきたいなと思います」。喜びも、悔しさも味わった6年間を財産に。高校年代を引っ張ってきたスーパーエースは、近々決定したいという新たなステージでも一際大きな輝きを放つ。