ボタンの掛け違いが切ない!!相手が結婚していると勘違いし「私も結婚する」と悲しい嘘を…【作者に聞く】
普段は日常に紛れて思い出すことはなくても、心の奥深くに引っかかって忘れられない人というのが、誰しもいるのではないだろうか?「昔好きだった人が地元に帰ってきたらしい」というフレーズから本作「思い出終止符」は始まる。特に連絡も取っておらず、そもそも好きだったのも何年も前の話だ。彼とは付き合っておらず、最後の会話は彼が地元を離れる当日に喫茶店で。「コーヒー好きなの?」と聞かれ、続けて「じゃあ、俺のことは?」と聞かれた。 【漫画】本編を読む あまりに突然のことに、言葉に詰まった主人公は「…今なんて?」と聞き返してしまった。彼はすぐさま質問を取り消した。彼女はたぶん反応を“間違えた”…。あのとき、もし間違えなければどうなっていたのだろう…という想いが心の奥底に重く沈みこみ、そのまま数年の歳月が流れた。その彼が地元に戻ってきた。読者からは「こうゆうのが読みたかった」「カーッ!たまらん」という声が飛び出した。 本作を描いたのは、現在ファッション誌「ViVi」(講談社)のWebサイトにて漫画「及ばぬ恋は馬鹿がする」を連載している漫画家・ますだみくさん。「匂いとか思い出の消し方とかわからないから、上書き保存できたらいいのに」や「もし好きと言ったら君は笑ってくれるのかな 」などの代表作を持つ。ますだみくさんさんに本作について話を聞いてみた。 ――「思い出終止符」を描いたきっかけや本作に込めた想いについて教えてください。 恋愛はすべてタイミングだと思っていて、「じゃあタイミングの悪いふたりがもう一度出会ったらどうなる?」と思ったのがきっかけです。すれ違っても、自分の感情を言葉にして相手に伝える大切さが伝わればうれしいです。 ――「ちょっとしたフレーズも心に刺さる」「言葉の先の妄想を掻き立てられる色っぽいシーンの切り取り方が好き」という読者コメントも見かけました。言葉選びでこだわっている点があれば教えてください。 自由に受け取ってほしいので、伝えたいことすべてを漫画内で提示せず、あえてセリフを曖昧にしたり、言葉をほかのモチーフに置き換えて描写して表したり、読者へ想像の余白を残すことを意識しています。 「思い出終止符」は、主人公である女性の視点と、その想い人である彼の視点の両方でストーリーが展開していく。「じゃあ、俺のことは?」と彼女に尋ねたとき、彼はどう思っていたのか!?地元で再会を果たした2人の“すれ違い”も見どころ。「私さ、結婚するんだ」と告げた彼女の本心は?お互い想い合っていても、タイミングが合わなければもつれた鎖は錆びて壊れてしまうのか? 取材協力:ますだみく(@_mokotomoko_)