保育士から漁師に転職「圧倒的に気が楽」に。同僚も元警備員、介護職、シジミ研究員…
山でサーモンを養殖したい
若い漁師のなり手を増やすために、小笹さんは昨年から小学校との取り組みを開始した。年に数回授業を受け持つほか、実際に港へ小学生を招くこともあるという。 また中学校でもキャリア講演や、保育園での命の授業など、子どもたちに漁業の魅力を伝える活動に積極的に取り組む。 「漁師は何となく『遠い職業』のイメージがあると思っていて。ですが、子どもたちにどんな仕事なのかを分かりやすく伝えることで、漁師が『なれる職業』になっていくのかなと考えています」 今後の展望について尋ねると、小笹さんからは驚きのアイデアが飛び出した。 「山でサーモンの養殖をしようと考えています。御津という場所は昔『水の浦(みずのうら)』って呼ばれていたくらい、山からの湧き水がたくさんある場所なんです。 けれど、高齢化もあって今後はその管理も難しくなってきています。ならば、湧き水の管理を兼ねて山でサーモンを育てたら事業化できるし、新たな雇用を生むことにもつながる。 地域がこれから直面する課題の解決は、僕らがやっていかないと。やれることはまだたくさんあると思っています」
羽石友香