「もう我が子のよう」カルビーがファンと新商品“共創” ファンマーケティングで“ブランドの自分ごと化”狙う 専門家「商品拡散力が非常に大きい」
ファン熱量が高めるブランドロイヤルティー
ワークショップの合間には、大手ビールメーカーのキリンとコラボレーション。「ビールと堅あげポテトで“オトナ時間”を過ごす」そんなシーンを想起させる、新たな楽しみ方を体験する企画も。 イベントに参加した堅あげポテトのファン: すごい楽しかったし、美味しかったし、愛着が湧くというか。パッケージに採用されたらね。嬉しいね。 イベントに参加した堅あげポテトのファン: すごい思い入れが強くて、本当にもう我が子のよう。もう生活の一部。 味の提案から決定、パッケージデザインの作成に至るまで、ファンをとことん巻き込んだ商品開発は、商品力の強化や売り上げにもつながっているという。 カルビー マーケティング本部 堅あげポテトチーム・穂積由氏: 社員とファンの方と交流していただくことでよりブランドを自分ごと化して考えてくださって、さらにファンの熱量が上がっていって、それが結果的にファンの方のブランドロイヤルティー向上につながっているところが、カルビーとして狙っているところになります。 オンラインコミュニティを活用し、そこから、今回のようなリアルの場でファンとともに商品を作りあげる、カルビー流ファンマーケティング。 カルビー マーケティング本部 堅あげポテトチーム・穂積由氏: いろんな今情報が溢れていて、SNSで一方的に発信するだけだとなかなか伝わりづらい、信頼度が落ちてしまう中で、お客様自身がファンとしてコミュニティーになることで、ファンの方自身が自発的に情報発信してくださる。 いわゆる“ユーザー生成コンテンツ”は重要度が高まっていますので、そういったところはかなり重視しております。
情緒的価値を顧客と創る “価値共創マーケティング”
「Live News α」では、デロイトトーマツグループ執行役、社会構想大学院大学教授の松江英夫さんに話を聞いた。 海老原優香 キャスター: 自分の意見が実際に採用されたら、ファンとしてはとても嬉しいですよね。 デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん: 嬉しいでしょうね。「我が子のように」という自分ごと化、一体感がたまらないですね。こういった企業とお客さんが一緒に商品を、価値を生み出していくことを「価値共創マーケティング」と言います。 「価値共創マーケティング」が生まれた背景には、成熟化しているマーケットの中では、機能だけの差別化ではなく、ブランドへの愛着など情緒的な差別化が非常に大事です。 さらに、デジタル化によって企業とか顧客同士が双方向でコミュニケーションできる環境が整ってきたことがあります。 海老原キャスター: そういった中で顧客と作り上げる企業側のメリットは、どういったところにあるんでしょうか。 デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん: 大きく2つあると思います。まずお客さんが商品開発に参加すると愛着も湧くし、自分の満足度がどんどん上がっていきます。そうすると、商品に対する愛着とともに、企業との関係も長期化していく。これは大きなメリットだと思います。 もう一つが商品の拡散力で、これが非常に大きいです。オンライン上で顧客同士、企業と顧客の双方向でやり取りが進むと、企業が一方向で宣伝するよりも、商品を良いと思えば顧客同士の口コミが一気に広がる、商品の拡散力が期待できます。 海老原キャスター: 良くも悪くも、本音が聞けるのはメリットですね。 デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん: そうですね。他にもあるカメラメーカーが、撮影のテクニックを共有するコミュニティで顧客同士が会話した結果、顧客1人当たりの売り上げが上がったという例もあります。 こういった価値共創マーケティングによって、日本からオリジナルの製品が続々生み出される未来に期待したいと思います。 海老原キャスター: これまでと違った目線で商品と関わることで、この先もずっとファンでいることができる、とっても素敵な取り組みですね。 (「Live News α」12月20日放送分より
Live News α
【関連記事】
- 【▶動画はこちら】ファンマーケティング最前線 カルビーが消費者“共創”で商品力強化へ
- 【独自】女子中学生がネットで知り合った男性ら7人に3カ月で総額約100万円送金 「かわいそう」同情心からPayPayで…返金求めるも拒否 弁護士「返還求めること可能」
- 届いたクリスマスケーキが逆さま「残念」…販売した380個中、約100個に不備 西川貴教さんとコラボの特別ケーキ デコレーションも落下
- 【なぜ】東八道路・都市計画決定から60年経過も残り1.3kmが未完成…理由は「用地取得」 甲州街道では慢性的渋滞 東京都「地権者へ丁寧に説明して全面開通目指す」
- 「社員が本当に求めているモノは?」国内初AI活用の次世代型・福利厚生「カフェテリアHQ」発表…所属部署や働き方等入力で10万種類超から個別提案