パスワードに代わる「パスキー」が“一段と安全”なのはなぜか
新しい仕様を専門家はどう評価するのか
米TechTarget傘下の調査会社ESG(Enterprise Strategy Group)シニアアナリストのトッド・ティーマン氏は、「FIDO Allianceの新しい仕様はパスキーの普及を後押しするだろう。しかしセキュリティの課題をもたらす可能性もある」と指摘する。 メリットとしてティーマン氏が捉えるのは、ユーザー企業がプロバイダー間でパスキーを移行できるようになることだ。しかしそのためには、プロバイダー側で講じなければならないセキュリティ対策は複雑になるという。一般にはセキュリティが複雑化すればするほど、脆弱(ぜいじゃく)性が生じやすくなり、攻撃のリスクが高まるとみられる。 近年、IDプロバイダーやパスワードマネジャーの提供会社を標的にした攻撃が盛んだ。IDおよびアクセス管理(IAM)ツールベンダーOktaは2023年に攻撃を受け、ユーザー企業のデータが漏えいした。被害企業の中には、パスワード管理ツールを手掛ける1Passwordや、アクセス管理ツールベンダーのBeyondTrustなどがある。2022年、パスワード管理ツールを手掛けるLastPassはシステムに不正アクセスがあり、顧客データが侵害されたことを公表している。 ※本記事は米Informa TechTargetの記事を翻訳・編集したものです。
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