坂本花織「前半からぶっ飛ばして」NHK杯優勝 浅田真央さん以来11年ぶりGPファイナル連覇へ第一関門突破
◇9日 フィギュアスケート グランプリ(GP)シリーズ第4戦・NHK杯最終日(国立代々木競技場) 女子は世界選手権3連覇中の坂本花織(24)=シスメックス=が今季世界最高の合計231・88点で優勝。日本勢が表彰台を独占した。 やっぱり、世界女王は強かった。ミュージカル「シカゴ」のメロディーに乗ったエネルギッシュな演技を終えた坂本。ラストポーズは勢い余って崩れた。浮かんだのは満開の”かおちゃんスマイル”。「今、自分ができるマックスのでき」。NHK杯の大トリで抜群の勝負強さをみせつけた。 今季は冒頭から動き続ける「かなりハードなプログラム」。しかし、安定感は変わらない。GOE(出来栄え点)は1本目のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)で1・51点、2本目の3回転ルッツで1・85点を加点。「今日は前半からぶっ飛ばしていこうと思った。気負わず、攻めの体勢でいけた」と振り返った。 伏線は午前中の公式練習にあった。フリップ―トーループの連続3回転で転倒。「ちょっとスピードを落として、守りに入って失敗した。今日は守りに入らないほうがいい」。腹が据わった。 最後の一押しは前のめりで挑んだコレオシークエンスの時。中野園子コーチとグレアム充子コーチの前を通る時、2人が「頑張れ」と叫ぶ声が聞こえた。「もう頑張るしかない。めちゃめちゃ踏ん張った」。気合もろとも演技をまとめきった。 それでも、「フリップの回転不足があるし、ステップが今のところ4試合中4試合でレベル3のまま」と満足感はない。世界最強とその先へ。日本女子では浅田真央さん以来、11年ぶりのGPファイナル連覇に向けて、まずは第一関門を突破した。
中日スポーツ