【ヤクルトファーム・戸田の悲喜交々】苦しむドラ1ルーキー、若手の成長を願うベテラン野手、先発を目指す元最優秀中継ぎ投手...
今シーズン、柴田のキャッチボールは「大下さんから『ただ腕を強く振ったからって、いいボールを投げられるわけじゃない』とあれだけ言われましたからね(笑)」と、暴れることはなくなった。 「今年は力に頼るのをやめてタイミング重視にしたことで、キャッチボールがよくなったんです」 試合でも、初球のストライク率が10%アップと成果が出ている。5月5日には、ルーキーイヤー(2022年)以来となる一軍昇格。すぐに登板機会を得て、2回を投げて2つの三振を奪うも、1安打2四球1失点で翌日、再び戸田へ戻ることになった。 「緊張はそこまでなかったんですけど、やっぱり力んでしまった。二軍と同じ感じで投げられなかったことが悔しくて......。それ以降はそこを反省して、次につながるようにやっています」 実際、その後は中継ぎで17試合連続無失点など、一時は防御率0.97を記録。しかし、ここにきて「今年はカットボールを使うことで投球の幅が広がったのですが、その影響も出てきました」と、思うような投球ができずに苦しんでいる。 「今は我慢と改善ですね。シーズンも後半に入りましたが、そのなかでいい結果を残すしかない。どんな局面でも、目の前のひとりを抑えられるように、ブルペンから準備するだけです」 【若手の成長を手助けするベテラン野手】 三ツ俣大樹(32歳)は中日を戦力外となり、ヤクルトのユニフォームに袖を通して2年目のシーズンを迎えている。一軍への思いについて聞くと「一軍は考えてないです。この成績なんで......」と言った。 「今は若い子たちとファームで一緒にやって、彼らが一軍に上がる手助けを少しでもできればと。若い子たちが上に上がっていかないとチームは強くならないでしょうし、若い選手が上で活躍すれば、僕も刺激をもらえますから。お互いが刺激になるのは、チームにとってもいいことですし」 プロ14年目のベテラン野手が若い選手のプレーに目を配っている光景は、毎日ように見ることができる。 「技術的なことはそんなに言わないですけど、なんて言うのかな、野球って細かいことの継続なので、若い選手はそういうことがまだできてない部分があるので、気づいたことは伝えています」