【ヤクルトファーム・戸田の悲喜交々】苦しむドラ1ルーキー、若手の成長を願うベテラン野手、先発を目指す元最優秀中継ぎ投手...
【長期リハビリからの復帰】 古賀優大(26歳)は昨年、一軍で38試合に出場し打率.294、プロ初本塁打も記録した。守備でも、強く素早いスローイングが魅力で、中村悠平に次ぐ2番手捕手として期待されたが、オープン戦で下半身を負傷。戸田球場でのリハビリが始まったのは、5月に入ってからだった。 古賀が戸田球場に姿を見せた初日、衣川篤史バッテリーコーチは「おっ、古賀! 帰ってきたか!」と歓迎。古賀の「みんなと一緒に練習できてうれしいです」という言葉に実感がこもっていた。それまでは寮の室内練習場でのリハビリ生活だった。 「ここまで長いリハビリはプロに入って初めてのことでしたし、ひとりですることへの孤独さを感じていました。実際にはまだみんなと一緒に練習はできてないのですが、やっと外に出て一緒の場所で動けるのが楽しいですね」 外でのリハビリは陸上競技場が中心で、投手陣も練習していることから、古賀は「昨日のピッチングは......」といった具合に、積極的に声をかけていた。 「ケガをした最初の頃は野球も見たくない気持ちだったんですけど、復帰して試合に出るとなった時にピッチャーの状況がわからないとリードできないですから。そこは切り替えて、一軍も二軍も毎日のように見ています。自分は中村さんに追いつき、追い越さないといけないのですが、下には若いキャッチャーが多くいて、突き上げを感じています。焦っている部分はありますけど、刺激になっています」 残り少なくなった今シーズンについては、このように語る。 「室内ではバッティングも始めていますし、野球の技術練習ができるようになったので、先は見えてきたというか。自分の気持ちでは、今年中に試合に出られたらいいかなと。今年、試合に出たのはオープン戦の1試合だけなので、前向きに考えています」 そして「古賀、もう帰るのか!」「古賀、一緒にやるか!」「古賀、昨日はさぼったのか(笑)」と、衣川コーチからの激励は練習中のちょっとした名物となっている。 「自分が少し暗くなっている時にいじってくれるのでうれしいです(笑)」