【ヤクルトファーム・戸田の悲喜交々】苦しむドラ1ルーキー、若手の成長を願うベテラン野手、先発を目指す元最優秀中継ぎ投手...
【フレッシュオールスターでMVP】 「頼んだぞ、ヘラクレス」 宮出隆自打撃コーチが、打席に向かう橋本星哉(23歳)に声をかける。ヘラクレスのような割れた腹筋を誇る2年目捕手は、一軍の舞台が手に届きそうなところまできている。5月24日に育成から支配下登録となり、背番号は3ケタから『93』に変わった。フレッシュオールスターではMVPを獲得。7月25日には神宮球場での一軍の試合前練習に呼ばれるなど、期待の高さをうかがわせた。 フリー打撃では、髙津臣吾監督の前でバックスクリーンに打球を叩きこみ、練習後は「疲れたけど、明日からまた頑張ろう!」と笑顔で戸田に戻った。 「それまでは二軍にいる時間が長くて、それが自分のなかでは当たり前になってしまっていたというか......。神宮では勝手に体に力が入るような感じで、試合に出てプレーするイメージもたてながら練習できましたし、一軍で野球がやりたいという気持ちがすごく強くなりました。一番よかったのは、青木(宣親)さんや石川(雅規)さんといったベテランの方が早くから球場に来て、練習前の準備をしていることを知れたことでした。野球を長くするには、こういうことからしっかりしないとダメなんだと。自分はまだまだだなと」 その後はホームランを4本打つなど打撃好調。6本塁打はチームトップだ。 「一軍練習の刺激で調子が出たとかではなく、宮出コーチなどから助言をもらいながらやってきたことがいい結果につながっています。シーズンも残り少ないですが、守備も一軍で守れるところも見てもらいたいですし、キャンプの時から走塁も課題としてやってきたので『こいつ走塁よくなったな』と思ってもらえるように頑張っていきたいです」 【2年ぶりの一軍昇格】 柴田大地(26歳)は大学、社会人を経由して、2021年のドラフトで3位指名され入団。昨年まで、柴田のキャッチボールは豪快だった。相手を務めていた大下佑馬(引退)は「アイツは球が強いこともあるんですけど、ボールが散るからなかなか芯で捕れないので、普通のグラブだと手が痛すぎて(笑)」と、キャッチャーミットで受けるほどだった。