ランボルギーニ ガヤルドLP550-2には後輪駆動ならではの楽しさがあった【10年ひと昔の新車】
想像していたよりずっとコントロールしやすかった
試乗会当日の上海は朝からあいにくの雨模様となり、サーキットはハーフウエット状態。まずはレーシングドライバーが運転する助手席に同乗しコースレイアウトを確認する。じわりとタイヤに荷重をかけながらトラクションを伝えていくと、サスペンションがしっかりとパワーを受けとめてくれるのがわかる。 その後、いよいよテストドライブ。レーシングドライバーの先導でコースを5周。ブレーキングポイント、コース取り、滑りやすい部分を確認しながら、こちらのペースに合わせて徐々にペースを上げてくれる。当初は上限4000~5000rpmほどと言われていたが、いつのまにか7000rpmほどまで回すことを許してくれていた。 さすがにサスペンションは硬いが、がつんと突っ張る感じではなく、短いストロークながらショックをしっかりと受けとめて路面を捉える。グリップの限界が近くなると少しずつ滑り出し、それに従ってハンドルに伝わる重さが小さくなり、さらに滑るとESPがパワーを絞る。急激なアクセル操作やハンドル操作を行わなければ、滑り出しはわかりやすく意外とコントロールしやすい。とくに今回はハーフウエットだったので、その滑り出しがかえって掴みやすかった。 気をつけなけらばならないのは、むしろ急激なアクセルオフ。滑り出しから突然グリップが戻ると動きがピーキーになりがちなので、アクセルオフもじわりが基本。パワーを少しずつ絞りながら滑り出しを抑える操作が必要となってくる。 誰もが自在に扱えるというわけではないが、手に負えないということもない。アクセルワークを覚えれば、後輪駆動ならではの楽しさがわかるはずだ。今回はスポーツモードに入れることは許されなかったが、これはもう少しガヤルドLP550-2のパフォーマンスを身体で覚えてからでもいいだろう。550psのパワーを限界まで引き出して手足のように振り回すことができれば、どれほど面白いことか。その極限はもっともっと先にあるということだ。 今後も、アジア・トラックテストツアーは韓国や香港をはじめとした各国を巡るという。こうしてランボルギーニの熱狂的なファンは増えていくのだろう。(文:Motor Magazine編集部 松本雅弘)
ランボルギーニ ガヤルド LP550-2 主要諸元
●全長×全幅×全高:4345×1900×1165mm ●ホイールベース:2560mm ●車両重量:1380kg ●エンジン:V10DOHC ●排気量:5204cc ●最高出力:405kW(550ps)/8000rpm ●最大トルク:540Nm/6500rpm ●トランスミッション:6速AMT ●駆動方式:MR ●最高速:320km/h ●0→100km/h加速:3.9秒 ●車両価格:2408万1750円(2011年当時) 左ハンドルのみ。6速MTの車両価格は2303万1750円。
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