シルヴェスター・スタローン、秘蔵の腕時計コレクションをサザビーズのオークションに出品!
ハリウッドを代表するアイコンが、自身のパーソナルコレクションから11点の腕時計をオークションに出品する。目玉となるのはパテック フィリップの極レアウォッチだ。 【写真13枚】サザビーズのオークションに出品されるスタローンの秘蔵ウォッチをチェック! シルヴェスター・スタローンは、過去30年間で最も影響力のある腕時計コレクターの一人だ。90年代半ば、彼はパネライに惚れ込み、アーノルド・シュワルツェネッガーなどの友人たちに自身のコラボ時計をプレゼントし始めた(スタローンがどのようにしてパネライを知ったかは、大いに議論のあるところだ!)。 そんなスタローンが今年6月、自身のパーソナルコレクションから11点をサザビーズのオークションに出品する。映画『エクスペンダブルズ2』で彼が身に着けていたものなど、これまでに我々が見たことのあるアイテムも多数出品されるが、オークションの目玉となるであろう一品は、今日まで公の目に触れることはなかった。 今回初めてオークションに出品されることになったのが、パテック フィリップの「グランドマスター・チャイム Ref.6300」だ(ただし、パテックがチャリティオークション「Only Watch」のために特別に作った限定バージョンが2019年に落札されている。それについては後述)。スタローンはこの腕時計を実際に着用したことはなく、オリジナルのパッケージも未開封のままである。 「6300」はパテックが手がけた最も複雑なピースの一つであり、すでに究極の逸品として知られている。これまでにもジェイ・Zが身に着けたバージョンや、時計の落札価格として3100万ドル(当時のレートで約33億円)という史上最高額の記録を打ち立てた2019年のモデルを見たことがあるかもしれない。スタローンが所有するホワイトゴールド製の「Ref.6300G-010」は、グランドソヌリ、プティットソヌリ、アラームなど5ゴングのチャイム機構を備えた、「グランドマスター・チャイム」の名に相応しい時計だ。 「6300」のスペックも印象的だが、こういったオークションの面白いところは、スタローンのようなVIP顧客が時計の付属品としてどのようなものを手に入れているのかが明らかになることである。彼の「グランドマスター・チャイム」には、自身の名前が刻印された豪華な化粧箱が付属する。スタローンの名はまた、同梱の『グランドマスター・チャイム・ブック』と正規品証明書にも記されている。 同梱物としてはさらに、「トラベルケース、カフリンクス、USBドライブ、未開封のセッティングピン、ハングタグ、パテック フィリップのレザーケース付きアップル iPad、アダプター、充電器、パテック フィリップのケース付きアップル EarPods」がセットになっているとされる。今のところ、推定落札価格は250万ドルから500万ドルに見積もられているようだ。 スタローンといえば、彼が有名にした肉厚で頑丈なパネライが有名かもしれないが、この「6300」は彼の好みの幅広さを示している。「私は長年にわたり、それぞれ独自の個性と歴史を持つ、本当に素晴らしい時計を所有する機会に恵まれてきました」と、スタローンは声明で述べている。「この情熱的なコミュニティにいる多くの人々と同じく、私は時計を単なるアクセサリーとして扱うのではなく、その歴史、職人技、芸術性、そして最も重要なことに、時計が人にどのような感情を抱かせるかに魅了されてきました。これらの時計を見ると、努力は報われるということを思い出させてくれ、所有できたことを本当に幸運に思います。このコレクションとの別れはほろ苦いものですが、誇りを持って所有してきた思い出を大切にし、次の持ち主にも楽しまれ、大事にされることを願っています」 スタローンの時計コレクションは、2020年にもオークションに出品されたことがある。そのラインアップはパネライ1本およびリシャール・ミル4本と今回よりも小規模で、合計310万ドルで落札された。そのときの目玉は彼が映画『デイライト』で着用していたパネライ「ルミノール」で、21万4200ドルで落札された。 今回、スタローンによる売却品の主役は「グランドマスター・チャイム」であることは間違いないが、残りの10本の時計も負けてはいない。早速見ていこう(括弧内はあくまで推定落札価格)。 ■パネライ「ルミノール サブマーシブル 1950 Ref.PAM00382」(推定3万~6万ドル) まさにスタローンらしい一本だ。パネライというブランドを、そして軍用であるこのタイプの時計をポピュラーにする立役者となったのが彼なのだ。スタローンが『エクスペンダブルズ2』でこの時計を着用していたことも、両者の縁を如実に表している。 ■パテック フィリップ「ノーチラス Ref.5711/1300A-001」(推定20万~40万ドル) グリーンの文字盤とジェムストーンがセッティングされたベゼルを備えた「ノーチラス」。パテック フィリップがグリーン文字盤の「ノーチラス」を発表したのは、まさにこの人気モデルが生産終了する年だった。「ノーチラス」はいずれのバージョンも人気だが、ストーンが施されたものは特に入手困難となっている。サザビーズのリリースによれば、「近年の『ノーチラス』のなかで最もエクスクルーシブなもので、パテックのVIPおよびVVIPクライアントにのみ販売される」ものだという。スタローンは、おそらくそのステータスの持ち主なのだろう。 ■パネライ「ルミノール サブマーシブル スライテック “ピース・ユニーク” Ref.PAM00269」(推定3万~6万ドル) あるブランドが世界的な名声を得るのを手助けをしたとき、そのブランドは恩返しのためにクールな一点物を授けてくれるだろう。このモデルはタフな「ルミノール」を優美なイエローゴールドで再解釈している。 ■オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク トゥールビヨン Ref.26730OR.OO.1320OR.01」50周年アニバーサリー エディション(10万~20万ドル) スモーキーな文字盤は、スタローンの映画で手榴弾が爆発した後のようだ。 ■パテック フィリップ「ノーチラス Ref.5711/1A-010」(推定5万~10万ドル) 「Ref.5711」は一時期、世界で最もホットな時計だった。10年近くに及ぶキャンセル待ちが出るほど需要に供給が追いつかず、モデルそのものを生産終了に追い込んだ。 ■ロレックス「デイデイト Ref.228235」(推定2万5000~5万ドル) 公にしているかはともかく、ロレックスはスタローンが個人的に最も愛着を持っているブランドかもしれない。1976年、彼は出世作『ロッキー』の製作を記念してゴールドの「サブマリーナー」を購入した。マット・フラネックの著書『A Man & His Watch』の中で、彼はその時計を「最も心の結びつきを感じる時計」と呼んでいる。ロレックスのシグネチャーであるグリーンを文字盤にあしらったこの「デイデイト」が、スタローンのコレクションに加わったのも不思議なことではない。 ■カルティエ「パシャ シータイマー Ref.W301970M」(推定1万5000~3万ドル) カルティエで買い物をするときだって、スタローンの目当てはタフな一品だ。「パシャ」はカルティエ流のスポーツウォッチで、ここではイエローゴールドのケースにファンキーなオーバーサイズのインデックスをあしらった文字盤が備わっている。 ■パネライ「ルミノール サブマーシブル 1950 クロノ スライテック “ウォッチ No.1” Ref.PAM00202」(推定6000~1万2000ドル) パネライとの蜜月の一環として、スタローンは90年代に“スライテック”として知られるコレクションをパネライと共同で制作し(“スライ”はスタローンの愛称)、シュワルツェネッガーら友人たちに配った。これは2000年代半ばの後期モデルである。 ■パネライ「ルミノール 1950 レガッタ “クラシック ヨット チャレンジ” Ref.PAM00332」(推定2万~4万ドル) パネライ「ルミノール」をさらにタフに見せるにはどうしたらいいか? ブラックのPVDコーティングを施せば完璧だ。 ■ピアジェ「ポロ Ref.P10623」(推定6000~1万2000ドル) このリストの中で最も小柄な時計で、38mmと手頃な大きさとなっている。 From GQ.COM by Cam Wolf Translated and Adapted by Yuzuru Todayama