「ゴミスから教わった」U-19日本代表FW神田奏真が「絶対に為し遂げる」誓い通りに2ゴール
[9.25 U20アジア予選GL第1節 U-19日本 2-0 U-19トルクメニスタン ビシュケク] 【写真】“ロス世代”U-19日本代表、練習オフでの素顔 「あまり緊張はしていなかった」 FW神田奏真(川崎F)はAFC U20アジアカップ予選第1戦に先発FWとして臨んだ心境をそう語る。ただ、人数を割いて守備を固めてきたU-19トルクメニスタン代表の戦いぶりを観て「そんなにチャンスは来ないかな」とも思っていたと言う。 その上で、引いてくる相手を想定してのクロスからの攻撃は、「飽きるくらいにやってきた」(船越優蔵監督)U-19代表のメインテーマの一つ。神田にはそのターゲットとしての空中戦での強さ、そして決定力が求められていた。 「何本かクロスが来ていたので、このクロスから自分が点を取る、ここで勝負するというイメージは持っていた」(神田) そして迎えた22分、「どんどん(クロスを)上げてくれ」と話していたという左SB高橋仁胡(C大阪)からのクロスが絶妙のタイミングでゴール前へと上がる。 細かいポジション修正でCBの背後に入っていた神田がこれに頭で綺麗に合わせ、見事に先制点を叩き込む。「良いボールが来たので押し込むだけだった」と謙遜したが、冷静なポジション修正とヘディングの技術が光るゴールだった。 後半開始早々に生まれた2点目も「ここに来るかなという感覚があった」という点取り屋としての才覚を感じさせるもの。DF布施克真(日大藤沢高)のクロスに「ギリ届いていい感じに飛んだ」というヘディングシュートを突き刺し、2-0とリードを広げた。 神田には、この大会に臨む前に「そう言ってもらったからにはやらないといけないという気持ちになった」という出来事があった。川崎Fを退団することになった元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミスがクラブに対して神田を推してくれたことを伝え聞いたからだ。 「ホントにありがたいです。(ゴミスからは)いろいろ教わってきました。話もいろいろ聞かせてもらったし、本当に勉強になっていた」(神田) DFの背負い方のコツなど具体的な技術も教わったほか、「ゴミスからは『お前はストライカーなんだから、そんな(中盤に)下りてこなくていい』というのも言われました」。点取り屋としての仕事に集中することを説いたゴミスの教えは、まさにこの日の神田のプレーにも現れていた。 チャンスが限られていてもゴール前の“おいしい”場所をしっかり嗅ぎ分け、少ないチャンスをキッチリと決め切る。まさにストライカーの仕事だった。 (取材・文 川端暁彦)