ウイリアムズF1の我慢も限界? アプデマシン大破のサージェント、シーズン終了待たずにクビか。後任候補は2名
F1オランダGPがウイリアムズのローガン・サージェントにとって、F1でのラストレースになるかもしれない。 【動画】サージェント、雨のザントフールトで大クラッシュ。マシンからは火の手上がる|F1オランダGP 雨の中行なわれたオランダGPのフリー走行3回目でサージェントは、ターン3出口の芝生に右タイヤを落としてマシンコントロールを失うと、時速190km以上のスピードでターン4アウト側のバリアに激突した。 幸いサージェント自身は無事だったものの、シャシーを除きマシンは大破。クラッシュ直後にはマシン後方から火の手が上がった。 サージェントのクラッシュは今季3回目。特にオランダGPでチームは大型アップデートを投入したばかりであり、いつもは慎重な発言をするジェームス・ボウルズ代表でさえ、堪忍袋の緒が切れそうであることを「多くの作業が終わり、結局は壁にぶつかった」と語ってほのめかした。 サージェントはこのクラッシュによって予選に出走できず。この日チームは夜遅くまでマシンの修復に追われ、イタリアGPに向けてスペアパーツの製造を急ぐファクトリーにも影響が及んだ。 そしてイタリアGPの前には、重要なニュースが飛び込んでくるかもしれない。 ウイリアムズは、今季限りで放出が決まっているサージェントとの契約をできるだけ早く終了させる意向のようで、ボウルズ代表はメルセデスとレッドブルの両チームに連絡を取り、数少ない代替案を迅速に評価するよう求めている。 現在FIA F2に参戦するメルセデス育成のアンドレア・キミ・アントネッリを、サージェントの後任としてウイリアムズからF1デビューさせるという選択肢は、ウルフ代表をはじめとする首脳陣の考えとは一致しない。既にアントネッリは、メルセデスでのFP1出走、2022年マシンでのテストプログラム、そしてF2のシーズン最終盤に向けて、スケジュールは詰まっている。 その一方で、メルセデスでリザーブドライバーを務めるミック・シューマッハーは起用が可能だ。 2021年から2022年にかけてハースからF1に参戦していたシューマッハーは、メルセデスにアントネッリを優先され、アルピーヌではジャック・ドゥーハンとのF1シート争いに破れ、2度の失望を味わってきたが、イタリアGPからウイリアムズのマシンに乗り込むことに何の問題もないだろう。 しかしボウルズ代表の第1候補は、レッドブル陣営のリザーブドライバーを務めるリアム・ローソンのようだ。ただレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが2025年からローソンはF1フル参戦を果たすと公言したばかりでもある。 そしてザントフールトのパドックで浮上した噂によると、マルコはこの契約に賛成していないようだ。というのもマルコは角田裕毅のチームメイトとして、ローソンをすぐにでもRBのマシンに乗せたいと考えているのだ。 ウイリアムズにとって、これら以外の選択肢はあまりない。6月にチームはアルピーヌのエステバン・オコンと、2025年にハースへと移籍する前にウイリアムズで戦うチャンスを提供することを目的とした交渉が行なわれていた。ただ、この交渉はサマーブレイク前に突如打ち切られた。 それ以外でウイリアムズが選ぶことができるのは、リスクを伴うルーキーばかりだ。チームは育成ドライバーとして、F2ランキング6番手のフランコ・コラピントと契約を結んでいるが、クラッシュを回避して入賞を目指すというドライバー交代の目的を考えれば、考えにくい選択肢だ。ルーキーでは、アストンマーティンのサードドライバーであるF2王者フェリペ・ドルゴビッチが、F1ドライバーとして声がかかれば契約を解除することができるようだ。
Roberto Chinchero