スイブロックチェーンのスイレンド、新たな暗号資産金融サービスを計画──600万ドルの資金調達後
スイ(Sui)ブロックチェーンは、まだ強気相場の話題の中心にはなっていない。しかし、その分散型金融(DeFi)エコシステムは右肩上がりの傾向にあり、最大のプロトコルの一つがこの機会を活かそうとしている。 スイブロックチェーン上で暗号資産(仮想通貨)の借入と貸付を可能にするスイレンド(Suilend)は、2月に200万ドル(約3億円、1ドル150円換算)を調達し、さらに400万ドル(約6億円)の追加資金調達を完了したばかりだ。スイレンドの匿名の創設者ルーター(Rooter)氏がCoinDeskに語った。ルーター氏は、貴重な資金を調達したことでスイレンドは起こり得る市場の変化を乗り越えることができるだろうと述べた。 ルーター氏は、「今がそれを行う時期であり、長期的な弱気相場が来ても今後4年間持続できる資本を確保する時期だ」と述べた。 最新のラウンドは、タルン・チトラ(Tarun Chitra)氏のロボット・ベンチャーズ(Robot Ventures)が主導し、複数のベンチャー企業やエンジェル投資家が参加した。これは、スイレンドが新トークン「SAVE」を立ち上げる数日前に行われた。 DefiLlamaの測定によると、スイレンドはスイブロックチェーン上で2番目に大きなDeFiプロトコルだ。また、レンディングプロトコルとしては最大で、預かり資産(Total Value Locked:TVL)は4億7000万ドル(約705億円)に迫る。30日間の収益は約82万ドル(約1億2300万円)で、スイブロックチェーン上で最も収益が大きいプロトコルの一つだ。 こうした数字は、ソラナ(Solana)のような高速で安価なレイヤー1ブロックチェーン上の他のエコシステムのトッププロトコルと比較すると大きくない。なお、スイレンドはソラナにルーツを持つ。ソラナ上の関連レンディングプロトコルであるセーブ(以前はソラナのトップレンディングプロトコルだった旧ソレンド)は、4億5000万ドルのTVLから月間50万ドルの収益を上げている。 しかし、ルーター氏はスイのソラナに対する現在のランキングを気にしていない。ルーター氏は、最終的に市場のより大きなシェアを獲得する可能性のあるスイの相対的な利点を主張している。例えば、同氏はソフトウェア開発がスイ上で「数倍速く」進められることを発見したという。 ルーター氏は、スイ上で「実際により多くのものを提供できる」とコメント。最近立ち上げたリキッドステーキングトークン(LST)プロジェクトと、間もなく中核となる一連のレンディングサービスに加わる自動マーケットメーカーに言及した。 スイレンドのLSTデザインは、ルーター氏とソレンドが直接経験した失敗から学んでいる。ルーター氏は、その「無限に流動的な」デザインにより、保有者がLSTの裏付けとなるトークンをロック解除する際にステーキング解除の遅延で待ち時間が発生することがないと説明した。ソラナのLSTのロック解除に数日かかることをめぐる問題が、かつてソレンドで混乱を引き起こしたことがある。 ルーター氏は、「1年で3つのプロトコルを構築すること。これがソラナ上で可能だったかどうかはわからない」と語った。 |翻訳・編集:林理南|画像:Shutterstock|原文:Suilend Plots New Crypto-Finance Services on Sui After $6 Million Raise
CoinDesk Japan 編集部