AI時代を生きていく子どもたち。「好きと得意」を伸ばす「認知特性」もヒントに子育てを【小児科医】
「自分はかけがえのない存在」と感じられると、子どもは積極的になれる
――子どものやる気を高めるために、親にできることはほかにもありますか。 本田 初めてのことに興味を示し、確かめながら知ろうとする「探索行動」も、子どもの意欲を育むのに欠かせません。これも認知特性のタイプによらず共通です。 子どもが探索行動に出るためには、「何かあったら守ってもらえる」という安心感が必要。ママ・パパは安全基地になり、子どもが外に出て行こうとする意欲や好奇心を応援してあげましょう。 ――子どもの安全基地になるために必要なことは何ですか。 本田 スキンシップをたくさんしてあげることです。ギュッと抱きしめたり、触れ合ったりするだけで、子どもは安心できます。安心できると子どもの脳内では、「幸せホルモン」とも呼ばれるオキシトシンという神経伝達物質が分泌されます。オキシトシンには安心感や信頼感に加えて、ありのままの自分を認める「自己肯定感」を高める作用もあるので、子どもが「自分はかけがえのない存在だ」と感じることができます。 それは子どもの中で自信となり、いろいろなことに積極的に取り組くむ力になります。
得意そうに思えることでも、子どもが興味を持たなければ、その力は伸びない
――子どもの認知特性から考えたら、ちょっと苦手なんじゃないかなと思うようなことでも、子どもが頑張って取り組んでいたり、楽しくやっていたりする場合は、見守ることが大切でしょうか。 本田 子どもの能力のすべてを認知特性で判断できるわけではないですし、「好き」と感じることであれば、努力するのは嫌ではないはず。コツコツとその能力を積み上げていくでしょう。ママ・パパは見守り、応援してあげてほしいです。 逆に、認知特性のタイプで見たら得意そうに思えることでも、興味を持てないことを強制的にやらせたら、子どものモチベーションは上がりません。いくらお金や時間をかけても、その力は伸びていかないでしょう。 子どもがそのことに取り組んでいるとき、本当に楽しそうな顔をしているか、目をキラキラと輝かせて挑戦しているか、よく観察してほしいなと思います。