米Waymoが新型ロボタクシー専用車両と第6世代自動運転システムの概要を発表
WaymoとZEEKRが共同開発した次世代ロボタクシー専用車
2024年8月19日(現地時間)、Alphabet/Google傘下で自動運転サービスを提供しているWaymo(ウェイモ)は、中国ZEEKRと共同開発した新型ロボタクシーを正式発表した。実際の導入開始時期は明言されていないが、ごく近い将来にサービスインされる可能性が高い。従来型に比べ製造コストを大幅に低減する一方、第6世代自動運転システムを搭載して多様な交通状況や天候により適切に対応することが可能になったという。 【写真】Waymoの新型ロボタクシーをもっと見る 現行第5世代のWaymoロボタクシーは、ジャガーのI-PACEをベースに自動運転ソフトウェアやセンシングユニットを後付けした改造車であり、車両コストやレイアウト上の制約などに課題は残していた。 新世代のロボタクシーは、2022年11月17日に発表されたコンセプトモデル「ZEEKR M-Vision」がベースになっている。車台にはZEEKRの親会社である吉利汽車が開発した無人運転専用プラットフォーム「SEA-M」が採用されており、自動運転レベル4以上に対応するさまざまな無人運転技術ソリューションの搭載が可能と謳われていた。 このコンセプトモデルをベースに、WaymoとZEEKRが共同開発したのが新型ロボタクシーと第6世代の自動運転システムだ。数百マイルのシミュレーションテスト、そしてリアルワールドで数千マイルに及ぶ実走テストを重ねてきた。 これに700万マイルを超える第5世代までの車両で収集してきたさまざまなデータを重ね合わせることで、AIの基礎モデルのトレーニングに必要な走行距離を大幅に軽減することができたという。併せてセンシングディバイスの数も削減できた。
Waymoは“人間のドライバーよりも安全”と謳う
センシングシステムは、13台の高解像度カメラ、4基のLiDAR、6台のレーダー、外部オーディオレシーバー(EAR)から構成される。第5世代に比べ低コストで高次元の安全性を実現しているという。たとえば、車両の周囲に重なり合う視野をよりクリアに解析し、最大1640フィート(約500メートル)離れた物体も検出できるようになったと発表された。 さらに「センサークリーニング」を搭載することで、従来課題とされてきた寒冷地の雪道でもセンシングコンポーネンツの動作環境を最適化して、完全な自立走行が可能になったという。 Waymoは、現在、ロサンゼルス、フェニックス、サンフランシスコでロボタクシー事業を展開しており、まもなくオースティンでもサービスを開始する。ちなみに同社はその安全性に関して、スイスの大手保険会社Swiss Re社との共同調査に基づき「人間が運転する車両よりもはるかに安全である」と謳っている。第6世代の自動運転システムの登場によって、さらに安全性が高まったのは間違いなさそうだ。 ちなみに10月10日には、テスラがロボタクシー事業に関する新たな発表を行う予定だ。現状では技術や法整備ほか、さまざまな課題を残しているロボタクシー事業だが、とくに北米では大小さまざまな事業者が入り乱れつつ自動運転が新たなフェイズに突入しつつあることは確かだ。