「なんとなく将来が不安」をなくすために、「40字以内で言語化」が必要といえる納得の理由
「〇〇(な)ので」「〇〇(だ)から」「〇〇(の)ため」という文章はNG
私たちは日頃、無意識に因果関係を表す文章を使っています。因果関係がある文章とは、「〇〇(な)ので」「〇〇(だ)から」「〇〇(の)ため」という接続詞を含む文章です。たとえば、 ・雨だから、会社に行きたくない というような文章です。 実は無意識に使っているこうした文章が、思考の見える化を邪魔していることがあります。因果関係で表現することにより、原因を安易に決めつけてしまう可能性があるからです。 それは、なぜか? 2つの情報をこれらの接続詞でつないだとしても、その原因と結果が必ずしも「正しい」とは限らないからです。たとえば、先ほどの、 ・雨だから、会社に行きたくない という文章の例で考えてみましょう。 これは、「今日は雨が降っている」と「会社に行きたくない」という2つの情報を「(だ)から」という接続詞を使い、「雨が降っている(原因)」と「会社に行きたくない(結果)」を因果関係で結びつけています。 しかし、本当にそうなのでしょうか。 会社に行きたくない真の理由は、「雨」のせいではなく、「昨日上司に怒られた」せいかもしれません。あるいは、「午後に英語の会議が予定されている」せいかもしれません。 たしかに「会社に行きたくない」、そのきっかけの一つとしては「雨」が作用しているかもしれません。しかし、それを最初から「雨だから、会社に行きたくない」と決めつけてしまうと、問題の解決策を見つけるチャンスをみすみす手放してしまうことになります。 たとえば、解決策として、同じミスをしないための対策を考えたり、英語力の強化策と向き合うのではなく、気分が上がる傘を買ってしまうことになりかねない、ということです。 自分が生み出す文章は、自分なりの思い込みが文章に表れます。だからこそ、素材の段階ではできるだけ固定概念を取り払っておきたいものです。
思いつくままに書くから質も上がる!
思考の文章化は、「質よりも量」を重視します。商品開発などのアイデア発想も同様ですが、常に質は量から生まれます。 成果を求めるのなら、そのための量をこなすことはおろそかにできません。野球選手も、打席に立たないことには打率を上げられません。 ですので、まずは質にとらわれず、思いつくまま自由に書き出していきましょう。 おそらく書いていくうちに、さらに思いつくことが出てくると思います。芋づる式、大歓迎です。「こんなこと書いていいのかな?」「間違っていないかな?」などと思っても心配無用です。 テーマにもとづいたモヤモヤやアレコレを書き出すことが目的ですから、「正しい か間違っているか」を気にする必要はありません。 とにかく、まずは書いていくことが大切です。仮に余計なことを書いたとしても、あとからいくらでも削除できます。しかし、書き出さなかった思いをあとから書こうと思っても、思い出せないことが多いものです。そのときの勢いや気持ちが込められた表現というのはそのときだけのもの。往々にして思い出すことが難しくなります。 無理やりひねり出して書く必要もありません。なかなか書くことが思いつかない人は、はじめのうちはゆっくり時間をかけてかまいません。 「意外と簡単に全部書けた」という人は、一度クールダウンしたあと、もう一度見直してみましょう。 「なんとなく仕事の将来が不安」というテーマで自分の思考を見える化していくと、たとえば次のような文章が出来上がります。 ぜひ、あなたも、この方法で頭の中の考えを言語化してみてください。
ツノダ フミコ(株式会社ウエーブプラネット代表取締役)