なぜ他国選手のユニフォームを? パリ五輪の話題をユニクロに聞いた
日本代表を感じた瞬間
最後に。筆者はパリ期間中、選手村での取材機会にある出会いを経験した。 この日は報道陣に唯一、村内を自由行動で移動がして良い日で、各国の選手、スタッフが行き交うパリ郊外の施設内を巡っていた。その時、前方から歩いてきたのが、スウェーデンのウエアを着た一団だった。 どの競技かは分からなかったが、擦れ違い様にその中の一人と目が合った。私が胸のマークを指さして「ユニクロなんですね」と伝えると、目を見開いて「日本の方ですか」と会話が始まった。日本発祥のブランドである事をこちらが伝えると、大きくうなずき、「とても気に入っている」と言って、左手で右胸のロゴをポンポンとたたいてみせた。 そのしぐさ1つで、同国での受け止められ方が分かるようだった。その証にか、最後にスウェーデン選手団用のピンバッジのプレゼントまでしてくれた。 〝日本代表〟は選手だけではない。そんな事を感じさせてくれる瞬間だった。
阿部健吾