なぜ他国選手のユニフォームを? パリ五輪の話題をユニクロに聞いた
ストックホルム1号店が始まり
まずは、なぜユニクロはスウェーデン代表のユニホームを提供しているのか。 「スウェーデンとのパートナーシップは、2018年8月、ユニクロがスウェーデンの首都・ストックホルムに1号店をオープンした際に、SOC(スウェーデン・オリンピック委員会)からお声がけいただいたのがきっかけで実現しました」 さかのぼること6年も前だった。契約は翌2019年1月に結ばれ、夏季・冬季のオリンピックのための公式ウエアを制作してきたという。同国は、2021年の東京大会では9個のメダル(金3、銀6)を獲得。2022年北京大会では金メダル8個、合計のメダル数18個(銀5、銅5)は、ともに冬のオリンピックでの歴代最多数となった。 2024年パリ大会では11個のメダル(金4、銀4、銅3)と東京大会よりも好成績を残した。日本でも放映された開会式に始まり、競泳(キャップ)、スケートボード、ゴルフなどの競技ウエアや、世界記録を更新して金メダルを獲得した陸上男子棒高跳びのアルモンド・デュプランティス選手をはじめとしたメダリストたちのセレモニーシーンでも、着用していたウエアの胸元のユニクロロゴが見え、SNSをざわつかせていた。 閉幕に向けて暑さが増していったフランスでも、最適なパフォーマンスが出せるように、夏の温湿度を再現したユニクロ有明本部の「服の基礎研究所/ラボ(人工気象室)」にてモニターテストを実施し、発汗しやすい位置にメッシュ素材や通気孔を効果的に配置するなど、快適性をさらに高める改良にも取り組んだ。 機能面では、吸汗速乾機能の「ドライ EX」や心地よい肌触りの「エアリズム」、自在に伸縮する「ウルトラストレッチ」、着るだけで紫外線をカットする「UV カット」など、同社の主力商品の最新技術が用いられているという。 2023年には、当初は2024年12月末までとしていた契約期間を2026年12月末まで2年間延長することが発表されており、同年のミラノ・コルティナダンペッツォ大会でも、提供が決まっている。