なぜ他国選手のユニフォームを? パリ五輪の話題をユニクロに聞いた
日本チームへの提供は…
では、その研究結果を日本代表へと提供する考えはないだろうか。重ねて質問をしてみた。 「あえて海外チームを選んでいるわけではなく、日本を含め他代表チームも、そのようなご縁があれば、前向きに検討したいと考えています。今回、パラリンピックではシンガポールチームにもウエア提供を行いますが、シンガポールでは2009年にユニクロ1号店をオープンしてから15年が経ち、シンガポールでのさらなる社会貢献活動を推進していく中でパートナーシップ契約が実現しました。」。ユニクロが東南アジアの代表チームにウェアを提供するのは初めてのことだ。 「ウエア提供にとどまらず、次世代のための育成活動を拡大していきたい」という。SOCと合同で「ユニクロドリームプロジェクト」を2020年7月から開始し、スウェーデンのトップアスリートとともに、子どもたちに、スポーツを知り、体験する場を提供している。23年3月までに、約4万2200人の子供たちと約600の学校が参加してきた。 ワールドワイドな展開を行っていく中で、現地で関係性が作られた先にオリンピック、パラリンピックの舞台がある。その意味では決して、日本選手団の可能性がないわけではない。 「ご縁があれば」 日本を代表するアパレルメーカーとして、将来的な意欲がうかがえる回答だった。
サラサラとベタベタ
ウエアが話題となったのは、日本の視聴者だけではなかったことも興味深かった。 卓球男子シングルス2 回戦で 金メダル候補の中国の王楚欽をスウェーデンのトルルス・モーレゴードが破った事が大きな話題になったが、卓球大国である中国では、スポーツチャンネルcctvで中国対スウェーデンの試合が放映され、スウェーデンが着るウエアの速乾性を感じるサラサラ感と、中国のベタベタ感の見え方が、中国のSNSで注目の的に。「このユニクロのウエアを買いたい」という書き込みが多くあった。 日本でも同様の声がある中、スウェーデンのアスリートと開発し、選手提供ウェアと変わらぬ高い機能性をもつコレクションが、8月に日本国内で再入荷し、オンラインストアと国内9店舗で展開している。同社ではオリンピック出場アスリートの後押しを受け、ウエアの実力を是非試してほしいという。卓球競技で話題になった吸汗速乾の「ドライEX」機能が備わったシャツなどを着てみることで、アスリート気分を味わうこともできそうだ。