ナイキやアンダーカバーが注目するタトゥーアーティスト・TAPPEI:その歩みとデザイン哲学
タトゥーから広がるコラボレーション
ーこの数年はタトゥーから活動が広がり、個展やファッションブランドとのコラボレーションも活発です。 最初はSWATCHからコラボの依頼をいただいて、NIKEの「エア フォース1」の40周年企画やRODY、AVIREXなどともアイテムをつくらせていただきました。 TRUNK(HOTEL)でのプロジェクトでは、僕の頭にカメラをつけて、3日間で背中を彫り切るライブパフォーマンスを行ったこともあります。基本的にはギャラの金額ではなく、僕がやりたいと思えるかどうかで決めてきました。
ー名だたる有名ブランドが相手ですが、特に思い入れのあるコラボは。 ひとつだけあげるなら、2022年のUNDERCOVERとのコラボレーションです。UNDERCOVERの代表的なキャラクター「目隠しベア」は僕にとって特別な存在なんです。
東京に出てきたとき、すごくお世話になったのがオオスミタケシさん[2]でした。僕のタトゥーを気に入ってくれて、毎週オオスミさんに彫っていた時期もあったほどの恩人です。 そのオオスミさんがあるとき「目隠しベアを彫ってほしい」と言ったんです。僕も好きなブランドだったので彫らせていただいて、「ジョニオ君(UNDERCOVER・デザイナー)にも見せに行きたいね」と話していた2021年、オオスミさんが亡くなってしまいました。 だから、UNDERCOVERからコラボの話が来たとき「ぜひ『目隠しベア』を描かせてください」と頼んで1型つくってもらったんです。オオスミさんのタトゥーを直接ジョニオさんには見せれませんでしたが、別の形でジョニオさんに見せることができた。縁が形になったと思えて、うれしかったですね。
ーいまTAPPEIさんは31歳で、敬愛しているというキース・へリングが亡くなった年齢でもあります。これからどんなことに挑戦したいですか。 これからもタトゥーを続けながら、アニメーション作品もつくりたいですね。キースがいま生きていたらアニメをつくるような気がするんですよ。それから、子どものころから遊んでいることの延長なのかもしれませんが、遊園地のような空間をつくってみたいと思います。