「幸せ=お金」の考えは不幸を呼ぶ 幸せな老後を送る真の4箇条
何かを「所有」すると心配が始まる
私たちは、自分が高い地位にいたり、モノやお金をたくさん所有したりすれば「安心」だと思い込んでいます。しかしどうでしょう。出世をして社会的地位を得れば、抱える責任の大きさも増えていき、いくらためても老後資金の不安は尽きません。その他にも土地や家、車や装飾品……と、管理しなければならないものが増えれば増えるほど、実は大きなストレスになっていくのです。 私たちの心配は、何かを「所有する」ことから始まります。世間では「老後に資金がないと困りますよ」とあおる一方で、実際はためてもためても不安がなくならない。この矛盾に疲れてしまうのです。それを解消するには、「お金がたくさんあれば幸せ」「お金がなければ不幸」という思い込みから、まず 自分を解放すること。そして先ほどの4箇条を理解した上で、「こだわり過ぎない」のが、一番楽に生きられる方法だと思います。 日頃から暴飲暴食など不摂生をせず、健康な体をつくることはもちろん、つらいと思ったら、早めに休むことも大事。かといって、健康のためにあれも我慢、これをしなきゃ、とかたくなになってもいけません。何事も「ほどほどに」の気持ちが必要なのです。 人は何歳まで生きられるかなんて誰にも分かりません。来年、いや明日どうなっているかさえ、分からないのです。だからこそ、未来を生きるのではなく「今」を生きてほしい。心配や不安が自分を疲れさせますから、たくさんの情報に触れ過ぎず、惑わされ過ぎず、心配し過ぎないことです。だいじょうぶ。きちんと生きていれば、人生はなるようになるものですから。 (取材・文=尾崎悠子)
大愚 和尚