誰かいい人いませんか…人手不足に悩む〈解体業・30代社長〉有望な応募者に歓喜も「不採用を決断した」納得の理由
多くの日本の企業が直面している「人材確保」の問題。なかでも、大・中企業が元請け会社となり現場で働くのは曾孫請けであったり、複数の派遣会社を介して作業員と契約を結んだりすることも日常茶飯事である「解体業など現場仕事」では、さまざまな弊害も生まれています。今回、人材確保に奔走する、ある解体業経営者が経験した苦労についてみていきます。※本記事で紹介している事例は、事案特定を防ぐため設定等を変えています。 【ランキング】都道府県「離婚率」…ワースト3位「福岡」ワースト2位「大阪府」「
何でもありは通用しない…人材確保に苦戦する「現場仕事」
人手不足が叫ばれている今、大手でなく中小、あるいは小規模事業者やいわゆる零細企業であれば、人員確保に非常に苦労していることは想像に難くありません。しかも、ブルーカラーのなかでも特に若者に敬遠されがちなのが、キツイ、汚い(汚れる)、臭い、危険な仕事である解体業など、現場仕事がその代表です。 この傾向は今に始まったことではなく、昭和の時代から、現場の日雇い仕事や下請けには、特殊事情の若者や中高年者は少なからずいて、そういった社会に居場所のない人のセーフティネット的な役割を果たしてきました。それはそれで社会的な意義がある素晴らしいことなのですが、そういった訳ありな人や荒っぽい気風が、応募者を限定してしまう一因になった点も否めません。 そんななか、急速に進む少子高齢化。それだけでも苦しいのですが、さらに時代の流れでコンプライアンスの厳格化に伴い元請け企業や社会から、従業員のバックグラウンドについても「何でもあり」は許されなくなっています。一方で、最近は解体現場には、外国人労働者が多く見られるようになりました。作業員が出稼ぎ外国人労働者というだけでなく、下請け会社自体が外国人によって経営されているということも特に関東地方では珍しくなくなりました。 意気のいい若者を雇いたい。だが、問題行動やトラブルを未然に防ぐためにも、採用者の質を担保したい。企業の採用・雇用責任、あるいは請負契約の発注・受注責任が重視される今日、人手不足や移民の問題は諸刃の剣となり、中小企業は難しい舵取りを求められています。